103万円の壁見直し 長崎・大石知事「議論丁寧に」 地方財政へ影響懸念
年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」の見直しを巡り、長崎県と県内21市町で年間計約500億円の減収が見込まれることについて、大石賢吾知事は22日の定例記者会見で「非常に額が大きい」とし、与党などに対し「地方財政に影響が出ないよう丁寧に議論してほしい」と求めた。 県の試算では、103万円の壁を国民民主党が要求する178万円まで引き上げた場合、県で約240億円、21市町で約260億円それぞれ収入が減る。 大石知事は、試算通りの減収となれば「立ち行かなくなる」と懸念。一方で「地方財政に影響を及ぼさない前提ならば労働力や所得が増える。プラスの面はある」とも述べた。 また、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、大石知事は国から今月上旬にアンケートが届いたと明らかにしたが、内容は「こちらから答えられない」とした。 県は佐世保市にIRを誘致する計画を国へ提出したが昨年12月に不認定とされた。国は最大3カ所整備するとしており、大阪府・市の計画のみ認定している。