チームメートに肩車をされ、指名を喜ぶ茨木

　プロ野球ドラフト会議が24日、都内で行われ、帝京長岡（新潟）の最速145キロ右腕、茨木佑太投手（3年）がロッテの育成2位で指名された。同校からは、22年に阪神から4位指名を受けた茨木の兄、秀俊投手（20）に続いて2人目で、新潟県の高校から兄弟で指名されたのは初となった。 　　　◇　　◇　　◇ 　歓喜の野球部員に囲まれながら、茨木はあっけにとられた表情だった。午後7時47分。ロッテ育成2位指名のアナウンスに沸き立つチームメートとは対照的に、落ち着いて吉報を受け止めた。 　「指名されると思っていなかった。現実として受け止められなかった」。名前が出た直後は頭が真っ白になったが、その後の会見の席では「素直にうれしいです」と、白い歯を見せた。22年に兄秀俊が阪神に4位指名された瞬間は、大喜びした。2年後、自分が祝福を受ける立場になった。 　その兄には「アドバイスもしてくれたので、感謝したい」と素直な思いを明かした。手稲中央小1年で野球を始めてから、2歳上の秀俊は常に目標だった。「かなわない存在。すべての面で参考になる」。1年の秋に背番号1をつけた時には「お前が中心になれ」とハッパをかけられた。育成からのスタートとなるが、「セ、パ交流戦や日本シリーズで投げ合いたい」と掲げ、ライバルとして視線を向けた。 　ロッテの佐々木朗希（22）には「どうしたら速い球を投げられるか聞きたい」と目を輝かせた。兄と同期で、日本文理から3位指名でロッテに入団した田中晴也（20）も「吸収したい」と手本として名前を挙げた。北海道で生まれ、新潟で育った右腕が、旺盛な向上心で、プロの舞台で花を咲かせる。【斎藤慎一郎】 　◆茨木佑太（いばらぎ・ゆうた）2006年（平18）5月9日生まれ、北海道出身。手稲中央小1年から手稲ヤングスターズで野球を始め、以来、ほぼ投手。手稲中では少年硬式野球の札幌東シニアに所属。3年の時に東日本選抜大会に出場。帝京長岡では1年の夏からベンチ入りし、秋から背番号「1」。憧れのプロ野球選手はドジャース大谷翔平、阪神才木浩人。187センチ、93キロ。右投げ右打ち。