氷で顔を冷やす美容法は「根拠なし」、肌に直接氷は特にNG 皮膚科医に聞いた
試す前に知ってほしいこと
自分でできる簡単な手法を選ぶにせよ、より複雑な施術を選ぶにせよ、最も重要なのは氷を直接肌に当てないことだと、ガレリック氏は言う。そこで使うのは、市販の顔用アイスローラーでも、ペーパータオルや洗顔用タオルでも構わない。 顔に当てる素材は、氷を肌に触れさせないが、冷たさが伝わる程度の厚みにする。この点に気をつけると、氷の冷たさが引き起こす赤みや乾燥、炎症を防ぐのに役立つと、キラコフ氏は言う。 キング氏によると、乾燥肌や敏感肌の人、酒さ(しゅさ)のある人は、氷を使った美容法を控えたほうがいいという。冷たさが肌を刺激し、皮膚の剥離や赤みを引き起こす可能性があるからだ。 3人の皮膚科医は、氷を使った美容法は、正式な臨床試験による検証がなされていないと口をそろえる。つまり、この手法に効果があるのかどうかも、あるとすればそのメカニズムも、科学的にはわかっていないということだ。 キラコフ氏は、これは正式な治療というよりも、「心地よさ」のためのセラピーだと述べている。「本人が楽しんでいて、害がないのであれば、続けても構わないでしょう」と氏は言う。
文=Carrie Arnold/訳=北村京子