氷で顔を冷やす美容法は「根拠なし」、肌に直接氷は特にNG 皮膚科医に聞いた
専門家の意見は
氷嚢や冷たい布などで冷やすのは、時折起こる目の下の腫れを和らげるのに役立つ可能性があると、米ニューヨークの皮膚科医で、米国皮膚科学会のフェローでもあるハドリー・キング氏は言う。これは、患部の血管が縮むことによる効果だ。 冷やすと「一般的に、皮膚の赤みと腫れが抑えられます」と氏は言う。 米国眼科学会も、けがによる目の腫れには氷嚢などで15~20分間冷やす方法を勧めている(腫れの原因によっては抗生物質やアレルギー薬などを使う)。 目の腫れ以外にも、氷を使った治療法の効果にある程度の科学的な根拠がある領域はあるとキラコフ氏は言う。ニキビや軽い日焼けに伴う痛みや腫れも、一時的に軽くなる場合がある。これもやはり、血管の収縮による効果だ。ただし、凍傷などのダメージを肌に起こさないよう、皮膚に氷を当てるのは一度に数分以下にすることが重要だと氏は言う。 「たとえば、限られた時間だけ特定のニキビに氷を当てるのは問題ありませんが、氷を顔全体にこすりつけるような治療法はおすすめできません」 キング氏によると、アイスフェイシャルには、角質の除去による効果もあるかもしれない。「角質が取り除かれると、明るく、健康的で、くすみが少ない新鮮な肌を手に入れることができます」 皮膚科では、液体窒素を利用して、いぼ、軟性線維腫(首などにできやすいいぼ)、一部の表在性皮膚がんなどを凍らせて取り除く治療法がある。これは、特定の病変には非常に効果的だが、家庭でできるものではなく、すべきでもないとガレリック氏は述べている。 また、「クライオフェイシャル」と呼ばれる、気化させた液体窒素で皮膚を強烈に冷やす美容法を提供する皮膚科医もいる。上記のような正式な治療法ではないものの、家庭で行うアイスフェイシャルよりも強力な冷却効果が得られる。 しかし、そうした処置に大金をつぎ込む前に、注意すべきことがいくつかあると専門家は言う。