ファイヤーソール、グローレ、DATA601…本当は教えたくない中古の“名器リスト”
「やさしいアイアン=キャロウェイ」だった時代を懐古する
1995年当時、新興メーカーだったキャロウェイは「ビッグバーサ アイアン」を発売した。ピンの名器「アイ2 アイアン」に勝るとも劣らない独特な形状で衝撃を与え、ボールが上がりやすく、ミスヒットに強いと大ヒット。98年には「ビッグバーサX12」、2000年には「スチールヘッドX14」をリリースし、次々と大ヒットさせた。いずれもツアープロの評価も高く、歴史的名器といってイイはずだ。 中でも、初代モデルが形状的にも一番“尖っていた”と筆者は思う。狙いから右側10ydにキッチリ高弾道で打ち出されるボールの記憶が蘇る。重心距離が49.5mmと、史上最も長いスペックだったので当然だろう。中古ショップの特価コーナーなどで1万円も出せば見つかる。X12とX14にはグースの少ないプロモデルも存在する。価格はさほど変わらないはずだ。
「軟鉄鍛造で、プロ使用モデルなのにやさしい」と大ヒットしたのがキャロウェイ「X-TOUR」(2004年)。深いキャビティモデルで、マッスルバックよりもヘッドが少し大きくてソール幅も広く、それでいてオフセットが少ない。「X FORGED」(2007年)もプロ使用モデルにして、扱いやすいニュートラルなアイアンだった。
アイアンの“寿命”を考える
テーラーメイドにも歴史的名器が存在する。「300フォージド」(2001年)は三浦技研で生産されたモデルで、日本ツアーで人気があった。「練習して打ちこなしたい!」と思わせる美しさがある。こちらはフリマサイトで3万円前後が相場のようだ。
アイアンは溝規制の最終期限がことし先送りされたこともあり、選択肢が広がった。プロギア「DATA601」(1994年)も三浦技研製だ。深めのキャビティ、美しいヘッド形状のプロモデル。2万円弱でオークションサイトに出品されていた。これこそが筆者も日々、地道に状態の良いものを探しているクラブである。 マニアックな展開になったが、はっきり言って、ドライバーは10年前、フェアウェイウッドは20年前、アイアンは30年前のモデルでも、最新クラブとそん色のないショットが打てて、楽しくゴルフができると考える。同窓会で再会した、学生時代に憧れだった異性に声をかけるのは勇気が必要かもしれないが、中古クラブなら気軽に接することができるはずだ。(文・田島基晴)