米国の利下げ間近、市場は債券投資に積極的-ピムコCEO
(ブルームバーグ): パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエマニュエル・ローマン最高経営責任者(CEO)は、米国での金利引き下げが間近に迫っていることを好機と捉え、投資家が債券への投資を増やしていると明らかにした。
ローマン氏は16日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、米連邦準備制度が今週25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを実施し、年末までに計75bpの引き下げで、債券市場の活況の下地を整えると予想していると語った。
ローマン氏は「今、債券投資は、さまざまな金融商品でポートフォリオを構築し、6-6.5%のリターンを得られる点が魅力的だ」と指摘し、この債券投資がまだ不十分な機関投資家が「投資配分を調整しようとしている」と述べた。
連邦準備制度は、米国経済のソフトランディング(軟着陸)というまれな成果を追求する中で、18日に約4年半ぶりとなる利下げに踏み切るとみられている。一部のトレーダーやエコノミストは、50bpの利下げを予想している。
カリフォルニア州拠点のピムコは、主要中央銀行が利下げを進める中、債券投資、特に高品質で積極的な債券戦略を推奨している。ダニエル・アイバシン最高投資責任者(CIO)は先月、市場の変動に対応するため、十分な流動性のある資産にインカム戦略ファンドを配分し、住宅ローン担保証券(MBS)のポジションを増やしていると述べた。
総資産額が約1兆9000億ドル(約267兆円)と世界最大級の債券運用会社であるピムコは、自社の強みを生かせる分野に注力し、大きなチャンスがあると見ているプライベートクレジットや不動産にその強みを生かそうとしているとローマン氏は話した。
ローマン氏は「不動産市場には大きなサイクルがあり刺激的だ。また、債券と株式の両方において、安価な投資機会があるだろう」と述べた。一方で、プライベートクレジット市場では、資産担保融資にユニークな機会があるとした。