”10年後に3割が消える”衝撃の試算が明らかに バス会社が始めた近未来を変える取り組み
RKB毎日放送
暮らしに欠かせない公共交通のひとつが「バス」。しかしこのバスが、10年後には3割以上、街から消えてしまう、そんな試算があります。試算が現実のものとならないように、バス業界では様々な取り組みが始まっています。”試算が示すような近未来”を回避することはできるでしょうか。 【写真で見る】西鉄バス運転士このままでは2035年に35%減少 ■「毎日乗ります、便利だから」 街の中を縦横無尽に走るバスは福岡県民の生活に欠かせない交通手段です。 市民「1日4台は乗りますね。買い物とか病院とか、かなり乗りますよ」 市民「毎日使います。便利だから」 そのバスの運転士不足が全国的に深刻な状況となっています。 ■待ち時間長く・・・本数が減っている? 市民「本数は減っているんじゃないでしょうか。次のバスが来なくて待ち時間がすごく長くなっているなと思います」 RKB 下濱美有記者「福岡市内多くのバスが走り、またバス停ではひっきりなしにバスを待つ人の姿があります。このまま対策を打たなければ10年後さらに深刻になると予想されています」 「100人足りない」と訴えるのは、福岡県内を中心にバス事業を手がける西鉄グループです。 西鉄 自動車事業本部・人財戦略推進室 洲脇祐子課長「今年の3月16日のダイヤ改正によって一定量の業務量は削減しておりますので昨年よりは改善の傾向にありますけれど、依然として西鉄バスグループで100名程度不足している状況です。要員状況を申し上げますと現在も非常に厳しい状況です」 ■2035年、35%の運転士がいなくなる これまで、運転士不足に対応するため、「最終便の繰り上げ」や、「大規模な減便」など対策を行ってきました。 しかし、西鉄の試算ではこのまま運転士不足に手を打たない場合、「2035年には35%の運転士が減る」ことが明らかになったのです。 ■深刻な高齢化 労働力の取り合いに 背景にあるのはバス運転士の高齢化です。 およそ2000人が在籍する西鉄バスでは運転士のおよそ6割が50歳以上。 運転士の定年退職は60歳で、その後再雇用などで最大69歳まで働くことができますが、再雇用者数や採用者数よりも定年退職者数が上回る状況で、慢性的な運転士不足に歯止めがかからないのが現状です。