同じ空間にいるだけで…強い感染力の「はしか」、国内で拡大? 合併症や死亡率は 厚労省「2回のワクチン接種で予防できる」
日テレNEWS NNN
感染者と同じ空間にいるだけでうつる可能性がある「はしか」が、日本国内でも広がる恐れがあります。背景にあるのは、新型コロナウイルスの流行と訪日観光客の増加です。厚生労働省は「2 回のワクチン接種で予防できる」と呼びかけています。
■20代女性の詳しい行動履歴を公表
有働由美子キャスター 「11日、12日と東京都内での感染が相次いで発表されたのが、はしかです。国内でも感染が広がる可能性が出てきました。東京都は、感染が確認された大阪在住の20代女性と、都内の5歳未満の男児のそれぞれの行動履歴を公表しました」 「20代の女性は2月24日、アラブ首長国連邦から関西国際空港に到着。3月7日、頭痛がありましたが新大阪から品川駅まで新幹線で移動し、銀座の飲食店で食事をしてホテルに宿泊しました。その後、発疹と発熱などがあって受診したところ陽性でした」 「こうした詳しい行動履歴を公表しているのは、感染力が強いからです」
■沖縄を訪れた外国人観光客から全国へ
小野高弘・日本テレビ解説委員 「過去にはこんなケースがありました。2018年、はしかに感染した外国人観光客が沖縄県にやってきて、3日間県内を観光しました。このうちの1人に端を発し、県内の101人に感染が広がりました。そこから東京や愛知など全国に広がりました」
■妊娠中だと…流産や早産の可能性も
小野委員 「はしかの特徴は、空気感染することです。感染した人がせきやくしゃみをすると、同じ空間にいるだけでうつる可能性があります」 有働キャスター 「本人が知らずにいろいろな所へ行くことで、感染が広がってしまう可能性がありますね」 小野委員 「はしかには怖いところがあります。最初はせきや鼻水、そして39度を超える熱が出て、全身に発疹が現れます。重症化すると脳炎を引き起こし、1000人に1人が死亡する可能性があるとされています」 「妊娠中に感染すると、流産や早産などが3~4割の確率で起きるともされています」
■1回接種でも…約30年で免疫低下
有働キャスター 「注意したいです。去年もはしかの感染はありましたが、今年はどうなっていきそうですか?」 小野委員 「さらに増える可能性があります。新型コロナウイルスの流行の間、はしかのワクチンを接種できていなかった人が多いのではないかと考えられるからです」 「さらに、インバウンドが増えています。日本政府観光局によると、今年1年の外国からの観光客は、去年1月と比べて約1.8倍に増えています。はしかが流行している地域からもそれだけ来るということです」 「そのため厚生労働省は『2回のワクチン接種で予防できる』と呼びかけています」 有働キャスター 「そのワクチンですが、小さい頃に1回接種したような、はしかにかかったような…と記憶があいまいです」 小野委員 「そういう方が多いと思います。いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に聞きました」 「『はしかにかかった人は生涯の免疫ができている。ただワクチンは1回接種だと抗体がつくのは95%と完全ではなく、さらに30年も経過すると免疫は低下するので、2回接種した方がいい』とのことです」
■免疫ナシで感染するとほぼ100%発症
有働キャスター 「(はしかを取り上げた)前回、落合さんは『予防接種の記憶がないので親に聞く』と言っていました」 落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー) 「そのニュースを見た後に、実家で『予防接種してたよ』と話題になりました。ただ私は30年経っている気がするので、気をつけます」 有働キャスター 「はしかはマスクでの予防は難しく、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するということです。ワクチン接種の機会を逃さないでください。そして、免疫が残っているか心配な方は、抗体検査を検討するようにしてください」 (3月12日『news zero』より)