内野聖陽、名優から引き継いだ熱い精神…信念持って最高の瞬間をカメラに 映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」主演
自然な演技で役を生きる内野聖陽(56)が22日公開の映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」に主演する。この作品の魅力や、これまで共演してきた数々の名優から引き継いだ思いを聞いた。 同作は、税務署に務める真面目な公務員(内野)が、天才詐欺師(岡田将生)と手を組んで、脱税王(小澤征悦)から10億円を徴収するという、予測不能なミッションを描く。 「スリリングさが映像として伝わってくる作品です。主人公は無難に生きていくために、怒りを忘れてしまった公務員ですが、怒りは大事な感情。怒りの力が歴史を変える瞬間もありますし。彼が人間回復していく物語でもあるんです」 監督は、大ヒット映画「カメラを止めるな!」の上田慎一郎氏だ。 「上田監督の最新作を期待してほしいです。僕も脚本作りから参加して、現場でもいろいろと闘って作りました」 これまで雄々しい役から人当たりがいいゲイ役まで幅広い役を演じてきた。「1つ1つの役を生きることで、確実に自分は変化しています。役に自己を全投入し、いろいろなことを調べ、考えることで、人生を学んでいっているところもあるのかもしれません」という。 共演者からも学ぶことが多い。一番影響を受けたのは、NHK大河ドラマ「風林火山」(2007年)に主演した時だ。 「仲代達矢さん、緒形拳さんもいて、千葉真一さんは剣を交わらせてくれました。興奮の毎日で俳優として財産です」 そこでは生半可ではない本気度を見せる名優の姿を目の当たりにした。 「千葉さんは大事なシーンでは、テストからガーッとアドレナリンを上げて、そのまますぐ本番を迎えることを大切にしていました」 最高の瞬間をカメラに収めることに全力を尽くすから、いい作品が生まれるのだ。その精神を後輩たちにも引き継いでいきたい。 「今はコンプライアンスもあり、〝言わざる〟のほうがいい場合もあるけど、信念はちゃんとないとね。ただ、ゆるいところもないと、現場が硬直するだけなので、抜けているところも見せていますよ」と笑顔を見せた。朗らかな人だが、名優たちから引き継いだ熱い精神を胸に秘めているのだ。 (加藤弓子)