【インドネシア】ホンダ、電動バイク新2モデルを世界初公開
ホンダは9日、インドネシアで新型電動バイク「CUV e:(シーユーヴィー イー)」と「ICON e:(アイコン イー)」を世界初公開した。年内にインドネシアで販売を始める。現地合弁会社アストラ・ホンダ・モーター(AHM)の北ジャカルタ・クラパガディン工場で生産する。2024年を電動二輪車の「グローバル展開元年」と位置付けているホンダは、同国を皮切りに両モデルを世界展開する計画。 CUV e:は、23年9月に日本で開かれた展示会「ジャパンモビリティショー」(旧東京モーターショー)で世界初公開したコンセプトモデル「SC e:Concept(エスシー イー コンセプト)」を市販化した。 開発リーダーを務めたホンダの後藤香織氏は、1994年にホンダが日本で初めてリース販売した電動スクーター「CUV ES」と同じコンセプトの街中で快適な移動を実現する電動スクーターとして開発したと説明した。 バッテリーは、ホンダのリチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を2個搭載する。バッテリー残量0%から満充電までの所要時間は約6時間、25%から75%までは2.7時間。また、ジャカルタ首都圏に約20カ所整備されているホンダの充電ステーションでバッテリー交換もできる。 フル充電での航続距離は国際基準の「WMTC走行モード」で約80.7キロメートル。最高速度は時速83キロ。最大出力は6キロワット。 また、バイクとスマートフォンを接続して電話やナビゲーションが使える機能「ホンダ・ロードシンク・デュオ」を初搭載するタイプも展開する。同機能は充電が不足しそうな場合にバッテリー交換ステーションを通るルートも提案する。 ■ICON e:は中国で開発 ICON e:は、中国の本田摩托車研究開発が開発した。開発責任者の三ツ川誠氏は、電動バイクが普及している中国で展開する「U―GO」をベースに、インドネシア向けに耐水性を持たせるなどしたと説明。同社がインドネシア向けに製品開発をするのは初めて。 バッテリーは中国で普及している三元系リチウムイオンバッテリーを採用。バッテリーは車体に搭載した状態でも取り外しても充電ができるが、交換式には対応していない。 フル充電での航続距離は53キロで、最高速度は時速55キロ。充電時間は0%から100%に7時間、25%から75%には3.5時間かかる。最大出力は1.8キロワット。 CUV e:とICON e:は北ジャカルタ・クラパガディンにあるAHMの第2工場で生産する。2モデルの投入で、同社が展開する電動バイクは計4モデルになった。 AHMの1~9月の新車販売台数は約370万台だった。