中古車販売大手・ビッグモーターをめぐる問題です。六本木ヒルズにあった本社を移転するとしているビッグモーター。17日、動きがありました。いま、ビッグモーターで何が起きているのか。ある店舗の現役社員がバンキシャ！に語ったのは、営業中にキャッチボールやゴルフの練習をする社員がいるというほど“客が訪れていない”という実態でした。（真相報道バンキシャ！） ビッグモーターの本社が入る、東京・六本木ヒルズで17日、動きがあった。 ビルから出てきた大きなトラック。フロントガラスの入構許可証には「ビッグモーター」と書かれている。 15日、六本木ヒルズから本社本店を移転すると発表したビッグモーター。トラックが向かった先は…。 神奈川・横浜市の「ビッグモーター東神奈川店」だ。そして、17日の午後４時ごろ──。 記者 「テーブルでしょうか。結構大きいものが運ばれていきます」 「トラックの中、すごいイスだ。ずらりと並んでます」 今後はこの「東神奈川店」と東京・多摩市の「多摩店」を本社とするという。 家賃の高い六本木ヒルズを離れ、賃料の負担を減らすためとみられるこの移転。一方、移転を発表した当日に社員に送られたというメールではこうも説明していた。 「社員の皆さんの顔もお客様の顔も見えにくい六本木ヒルズから、常に社員の皆さんやお客様に近い場所に移転すべきと判断しました」 保険金の不正請求問題が発覚してからおよそ２か月…。存続をかけて、もがく、ビッグモーター。 しかし逆風は収まらない。15日、移転直前の本社では…。店舗周辺の街路樹が枯れるなどしている問題で、警視庁と神奈川県警が器物損壊の疑いで家宅捜索に入った。 移転の動きをつかみ、証拠隠滅の恐れもあるとして捜索に踏み切ったという。日報や会議録などを押収し、本社から店舗への指示があったか、調べる方針だ。 では、現場の今の状況は──。バンキシャ！は16日、現役の社員に話を聞いた。今月８日、和泉社長からあるメールが送られてきたという。そこには…。 和泉社長からのメール 「皆さんのご尽力により９月に入り買取・販売台数が上向き始めています」 綴られていたのは“上向き始めている”という言葉。これに、社員は…。 現役社員 「何をして上向きになったのか自分たちは不思議でしょうがなくて」 ──（記者）上向きだと思えない？ 現役社員 「思えないですね」 そして証言したのは、勤務する店舗の厳しい現実だ。 現役社員 「販売の方はまったくですね」 「１週間で５～６台売れてたのが、（いまは）２週間で２～３台売れればいいほう。それくらいのレベルになっているので、格段に減っています」 客足が遠のいたことでヒマをもてあます社員もいるという。 現役社員 「裏で営業同士でキャッチボールしてる人もいれば、お客さんこなくてヒマだし何もすることないから遊んでる人、自分の車洗車する人、中にはゴルフクラブ持ってきてゴルフの練習している人も」 経営を取り巻く環境が悪化するビッグモーター。バンキシャ！が向かったのは、福島・いわき市。 記者 「何も書いてない看板が立っていますね」 真っ白な看板、その下は。 記者 「ビニールのようなもので覆われて、見えない状態になっています」 実はここ、ビッグモーターが新たに出店予定だった場所だ。取材をした16日がオープン日だったが、最近になって白紙に。他にも１店舗が出店取りやめになったという。 果たして、会社存続なるか──。 本社移転に次いでビッグモーターが検討しているという“生き残り策”が、資産の売却だ。対象となっているのは、不動産や、保有する中古車販売大手「ガリバー」の運営会社の株式。さらに実質的な“身売り”も含め検討しているという。 現在、ビッグモーターのすべての株は兼重前社長の資産管理会社が保有したまま。“身売り”するには、これを手放す必要がある。 兼重前社長の考えは…。バンキシャ！は自宅を訪ねた。インターホンを鳴らすも、応答はなかった。 実質的な“身売り”も検討しているというビッグモーター。関係者からは、すでにこんな声もあがっている。 関係者 「今後は“身売り”しかないんじゃない。今の状態では自力で復活は無理でしょう」 現役社員は自らの今後について、「転職サイトにいくつか登録して。ほぼ自分の知っている人間はみんな転職サイト登録してると思う」と話す。 ──（記者）周りの社員の方？ 現役社員 「そうですね」 しかし転職活動をしていても、不安は募るばかり。 現役社員 「面接を何度か受けさせてもらった。前職をビッグモーターと書くとつつかれるんですよね。『ビッグモーターにいたの？』って言われて、『ビッグモーターにいます』って。『報道あったもんね、自分も何か不正やったんじゃないの』と言われたこともある」 「今後どうなっていくか不安です」 （９月17日放送『真相報道バンキシャ！』より）