15チームが草刈りで熱戦 川代の大場ペアが優勝飾る 鴨川(千葉県)
草刈りをスポーツにしたユニークな競技大会「BOSO(房総×防草)草刈サミット2024」が7日、鴨川市平塚の房田棚田で開催された。市内外から15チーム(2人1組)が出場。地元の川代地区(大場和夫、大場重男ペア)が優勝を飾った。 少子高齢化や過疎化による後継者不足で、休耕地や耕作放棄地の増加が深刻化している同市。里山周辺では、繁茂した草木が有害鳥獣の温床となり、深刻な農作物被害も発生している。草刈りは行われているものの、重労働のために高齢者が多い農家にとっては厳しい状況という。 サミットは、ネガティブな印象の草刈りをスポーツとして捉え、「競技性」と「楽しみ」を加えた“スポーツ草刈り”で、里山保全という地域課題を解決。刈払機を使った運動効果で、健康増進にもつなげてしまおうという一石二鳥の取り組み。 同市中山間地域等活性化協議会とウェルネスポーツ鴨川が、全国で初めて開催し、今年で7回目となった。 今大会には、同協議会に加盟する市内の集落などから7チーム、一般が8チームの計15チームが出場した。中には、全国配信された房日新聞の告知記事を見て、北九州市から参加したチームもあった。 競技は約4000平方メートルの棚田を15区画に分け、くじ引きで割り当てられた区画に各チームが入り、刈払機でいかに美しく、安全に雑草を刈り取るかを競った。 会場は、外来種のセイタカアワダチソウが、人の背丈を超えるほど繁茂して、文字通りの荒れ果てた状態。普段から草刈りをしている市内の参加チームも、斜面につくられた棚田特有の地形、セイタカアワダチソウの太くて硬い茎に苦戦していた。 約1時間半で、雑草はきれいに刈り取られ、弧を描く美しい棚田の姿がよみがえった。
主催者が審査した結果、優勝は川代に。出場2年目の大場重男さんは「昨年も優勝を狙ったが、惜しくも負けてしまった。悔しくて今年も参加し、念願の優勝を勝ち取れ、本望です」と喜びを語った。 上位チームは次のとおり。 ▽準優勝=大石除草(北九州・一般) ▽3位=館山市シルバー人材センター(館山・同) 草刈サミットの様子は、房日新聞公式ユーチューブ=二次元コード=で公開している。