テレビ司会者から飼い犬射殺の知事まで、トランプ次期政権の顔ぶれ 共通点は「忠誠心」と「強硬姿勢」
トランプ次期米大統領は、次期政権の主要人事を続々と発表。一部には経験不足を指摘する声も上がっているが、多くはトランプ氏に忠誠的で、同氏が重要視する問題に対して強硬的立場であるという2点で共通している。 ◎国防長官 国防長官にはピート・ヘグセス氏(44)を指名すると表明。FOXニュース・チャンネルの司会者であり、陸軍州兵の退役軍人で自身の政治的・宗教的見解を理由に軍から排除され、2021年に退役したとしている。 ブラウン統合参謀本部議長 「私は大統領と国防長官に軍事に関する助言を提供することを約束する」 ヘグセス氏はブラウン統合参謀本部議長を「(社会正義に目覚めた)ウォーク」と批判。同職に任命されたのは、肌の色が理由だと主張している。 米議会・下院軍事委員会の民主党トップからは、この人事を批判する声も。アダム・スミス下院議員はXに「国防長官は初心者向けのポストではない」と投稿した。 ◎国務長官 共和党 マルコ・ルビオ上院議員 「トランプ氏は米国を偉大な国に、これまで以上に偉大な国にする」 国務長官には共和党のマルコ・ルビオ上院議員(53)を指名すると発表。 ルビオ氏は上院の外交委員会と情報委員会に所属。かねてから米国と地政学的に敵対関係にある中国、イラン、キューバなどに対し、強硬な外交論を唱えてきた。ここ数年はトランプ氏の立場に合わせる形で、従来のタカ派姿勢を一部和らげてきた。 ◎国土安全保障省長官 サウスダコタ州 クリスティ・ノーム知事 「これらの問題に対処できると私が信頼できる候補者は、トランプ氏だけだ」 国土安全保障省長官には、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を指名。国境警備や災害対応、シークレットサービスなどを管轄することになる。ただ、トランプ氏への強く支持で知られる一方、同分野での経験は乏しい。 新型コロナ流行時には、州全体でのマスク着用の義務付けを拒否し、注目を集めた。 今年4月には自身の回顧録の中で、「訓練不可能」で「大嫌い」だった犬を家族の営む農場で射殺したと明らかにし、批判を浴びていた。 ◎国連大使 エリス・ステファニク下院議員 「ハーバード大学では、ユダヤ人の大量虐殺(ジェノサイド)を叫ぶことは、学内のいじめやハラスメント違反に該当しないのだろうか」 国連大使には、共和党の親トランプ派エリス・ステファニク下院議員(40)を選出。NY州選出のステファニク氏は、トランプ氏を強く支持している。 米国の大学構内で起きた親パレスチナの抗議行動を巡り、学長らの対応を厳しく非難して注目を集めた。 ウクライナとガザでの戦争を終結させると約束するトランプ氏の指名を受け、国連大使を務めることになる。 ◎新組織「DOGE」 実業家イーロン・マスク氏 「ご覧の通り、私はただのMAGAではない ダークMAGAだ」 ビベック・ラマスワミ氏 「われわれは、自分たちよりも大きなものの一部になりたいと切望している」 実業家マスク氏と共和党の大統領候補指名争いに参加したラマスワミ氏が、政府効率化を担う組織として新たに設立を目指す「DOGE」を率いると表明。トランプ氏は両氏に、官僚主義の解体、過剰な規制・支出の削減を託すと述べた。