【新日本】内藤哲也が4度目の手術終え退院 高橋ヒロムは思いを込めた〝お祝い0円〟
左目の手術を受けた新日本プロレスの内藤哲也(42)が19日、神奈川県内の病院を退院した。2019年から右目上斜筋麻痺に悩まされてきたが、来年1月4日東京ドーム大会での高橋ヒロム(35)との師弟対決を前に、実に4度目となる目の手術に踏み切った。本紙の取材に大一番への心境を明かした内藤の元には、ヒロムが〝退院祝い〟を持って登場。決戦へ秘める2人の思いは――。 目を内下方に引っ張る筋肉(上斜筋)の動きの悪化により複視(物が二重に見える)が起こる症状に悩まされてきた内藤は、これまで3度にわたり右目を手術。今回の検査では「両側性上斜筋麻痺の疑い」と診断され、18日に左側下斜筋切断の手術を受けた。 退院後、本紙の取材に応じ「現時点では痛みもありますし、見えてる世界もやはりちょっと違和感はあるんですけど、執刀医の先生にも『すごくよくできた』『これはバッチリなんじゃないか』という話ももらってるので。実際に両目が落ち着いてくるのが1~2週後で、その時どういう世界が見えるのか、今はすごく楽しみですね」と安堵の表情を浮かべた。 術後3日間は安静で、その後徐々にトレーニングを再開していく見込みだ。手術を受けることに不安がなかったわけではない。それでも10年の練習生時代から教えてきたヒロムとの初シングルマッチを前に、悔いだけは残したくなかった。 「練習生時代にクビになりかけていた人物が、こうしてプロレス界のトップの一角と言っても過言ではない存在になったこと、素晴らしいと思いますよ。本当によくここまで成長したなと」とヒロムを認めつつ「彼にはもう1段階、2段階上に行ってほしいので。そのためには俺が壁にならないといけないし、師匠の意地を見せたい。今の高橋ヒロムが持っている全てを東京ドームで俺にぶつけてこいよ。受け止めた上ではじき返してやるぜ」とメッセージを送った。 そんな師匠の思いを見越していたのか、病院を出ると何とそこにはヒロムの姿が…。「手術がうまくいって何よりです。やっぱり、対戦の時まで弟子っぽくいようかなと。1月4日の日までは」と義理堅く内藤の退院を祝った。 さらに「リング上では容赦なく、悔しがらせるつもりなので。前日会見の時には一人の対戦相手として立つので、弟子っぽいことはこれが最後ですかね。ほんの気持ちですけど…今の俺の内藤さんに対する気持ちがこれくらいかなという金額を入れておきました」と封筒を手渡して去って行った。 ところが封筒の中身を空けてみると、中には何も入っていない。わざわざ病院に駆けつけておいての「0円の退院祝い」には、ヒロムのさまざまな思いが包括されているようにも見えたが…。 内藤は「ヒロム君のことだから中身入れ忘れちゃったんだね。彼に恥をかかせるわけにいかないから、ここは立て替えておいてもらえない?」と、記者の財布から紙幣を数枚抜き取って帰路に就いた。
岡本佑介