【医療的ケア児】保護者は「夜中も2時間おきに介護→熟睡できないまま出勤」の日々…なぜ18歳未満は「法律上、重度訪問介護の対象外」なのか
「自分たちの意識が社会をより良くする」という視点を
医療的ケア児は重度訪問介護サービスを原則利用できません。正直、腹おちする正当な理由が私にはわかりません。その結果として、ご家族が寝ずの日々を送っている現実はまさしく理不尽だと思います。もしその理不尽な現実の背景に、非常に大きな社会的影響力を持っている障害当事者団体の要求の強度が十分ではなかったり、また企業や資産家の租税回避行動の結果として社会保障費の原資の不足があるとしたら、医療的ケア児の未来を阻むものは、人間の本能に基づく既得権益への固執という考え方が生み出す再分配の欠如に他なりません。 “持てる者”は“持てる者”としての苦労はありますが、その苦労から逃げることしか考えず、自分や仲間や身内のことしか考えない限り、より良い社会の未来はありません。時に本能に抗ってでも、一人一人が自分たちの意識が社会をより良くするという視点に立ち返ることが重要だと考えます。 高浜 敏之 株式会社土屋 代表取締役 兼CEO 慶応義塾大学文学部哲学科卒 美学美術史学専攻。大学卒業後、介護福祉社会運動の世界へ。自立障害者の介助者、障害者運動、ホームレス支援活動を経て、介護系ベンチャー企業の立ち上げに参加。デイサービスの管理者、事業統括、新規事業の企画立案、エリア開発などを経験。2020年8月に株式会社土屋を起業。代表取締役CEOに就任。
高浜 敏之