【乳幼児突然死症候群】こども家庭庁が5年ぶりに“寝かせ方”を大幅改定 発症率下げる3つのポイント
睡眠の悩み相談を受ける専門家 認知度高まる一方で不安の声寄せられる
睡眠中に亡くなる原因として、「窒息」もありますが、乳幼児が寝ているときに両親が気をつけるべきこととは… 子どもの睡眠の悩み相談を月に30件ほど受ける、子どもの睡眠相談室クークールナの川口リエさんに聞きました。 子どもの睡眠相談室クークールナ 川口リエさん(48) 「保護者にも、乳幼児突然死症候群(SIDS)についての認知が上がってきており、SIDS予防のガイドラインにある、『1歳まではあおむけに寝かせる』というのを知る方も増えてきました。半面、『あおむけに寝かせたいけど、うつ伏せになっちゃって大丈夫ですか』という質問は増えてきたと感じています。また、SNSを見ていて怖いなと思うのが『あおむけに寝かせたい』と、うつ伏せにならないようにするアイテムを使い、体の動きを制限してしまっている状態で寝かせていることです。それは、SIDS予防のガイドラインにある『赤ちゃんの寝床にはしっかりシーツをかけられた固めのマットレス以外何もおかない』というのと反してしまいます」 相談があった際には、アメリカ小児学会のガイドラインを参考にし、寝床を安全な状態になっていることを大前提として、両方向から自由に寝返りができれば、あおむけにする必要はないこと、起きている時間にうつ伏せ運動を積極的に取り入れてうつ伏せになっても自分で対処できる筋肉をつけることを伝えているということです。
こども家庭庁「掛け布団は軽いもの」→「掛け布団を使わない」
こども家庭庁は、赤ちゃんの口や鼻を覆ったり、首に巻きついたりしてしまうリスクのあるものは危険だとして、枕やタオル、衣服、よだれ掛け、ぬいぐるみなどは近くに置かないように呼びかけています。 そして、こども家庭庁は去年まで、「掛け布団は軽いものを使う」としていましたが、今年は「掛け布団を使わない」に変更しました。 担当者は、アメリカ小児学会のガイドラインを参考にし、赤ちゃんがどういうタイミングで寝返りするかわからないため、寝床に窒息のリスクがあるものを置いてほしくないという思いから変更に至ったと説明しています。大幅な改定は5年ぶりだということです。 子どもの睡眠相談室クークールナ 川口リエさん(48) 「海外では、赤ちゃんは親と別布団で寝かせ、掛け布団は使わないことが睡眠中の安全のためのガイドラインの項目に含められていますが、これまで日本では寝具についての注意がされていませんでした。恐らく、添い寝文化がアジアはあるので、文化的背景を鑑みながらだと思います。添い寝だと大人は布団をかけますし、赤ちゃんでも動いて親のところに来られるので、赤ちゃんだけ掛物をせず、固いマットレスにするという環境が物理的に整えにくいです。ですが、今年から、睡眠中の窒息事故防止のための注意事項として、赤ちゃんには掛け布団は使わず着る物で温度調節することが、追加されました。SIDSは温め過ぎでもリスクが高まります。冬場は風邪をひかないように、と寒さが心配になりますが、室温が低い中で赤ちゃんにいっぱいかけるのは避けてください。光熱費が上がっていますが、できれば赤ちゃんのうちは室温をあげて薄着で寝かせるのが安全で寝やすい環境です」