韓国へ遊びに行っただけなのに…「税務調査」が韓流好きの60代女性のもとへやってきた、まさかの理由【税理士の実体験】
税務調査の結果
さて、税務調査はAさんの自宅で行われました。 税務調査では初めの面談で、税務職員から雑談を装いながら多くの質問をされます。これは、申告内容と整合性を取るための質問です。Aさんへの質問は、 ・ここ最近韓国に何回渡航したかパスポートを見せてくれ ・一度渡航したら現地でいくらくらい使うか ・現地から現金でいくらくらい日本に運んだか といった内容でした。段々と警察の事情聴取みたいなってきたので、この辺で筆者が質問を止めました。とはいえ、大量の証憑類が必要な案件ではないので、調査自体は1日で終わりました。 その後、担当職員から電話が来て、次に自宅に訪問するときには税務署が計算した「為替利益」を提示したいと思う旨を伝えられました。 そして、当日。Aさんは別室に移動してもらい、担当職員からどの程度の「為替利益」になるか提示されました。もうひとつ付け加えられたのは、これで納得してもらえれば、この件についてはこれ以上突っつかないという点。 結果的には、こちらに有利な金額だったので、Aさんにも了承してもらい、50万円程度の納税で完結しました。お金を2国間で往復しただけで税務調査の対象になったという事例でした。皆さんも海外渡航時の外貨の為替利益にはご注意ください。 鄭 英哲 株式会社アートリエールコンサルティング 税理士/公認会計士/証券アナリスト/CFP/宅地建物取引士
鄭 英哲