都政のプロによる小池都政の評価は?失政ゼロでも不透明
これらを踏まえ、後藤氏から見て小池都政で評価できない点には、どのようなものがあるでしょうか。 後藤氏は、「政策決定過程が不透明なのが一番大きい」と答えます。 通常、行政の政策は現場の課題を拾い、現場目線で問題を埋めながらボトムアップで積み重ねていくアプローチが中心です。しかし、「018サポート」事業は、議論のない中、小池都知事のトップダウンで始まったという経緯があります。 後藤氏「去年の正月に岸田総理が『異次元の少子化対策』を打ち出したときに、標準を合わせたかのように子ども政策を打ち出した。パフォーマンス先行的な形で政策が打ち出されてしまう」 後藤氏は、行政のトップと政治家の側面を持つ知事という立場上「トップダウン自体が悪いことではない」とコメントしますが、過去の都知事と比較して、小池都知事に「トップダウンの傾向が出過ぎている」と指摘します。 後藤氏「1期目、自民党を敵視し、スローガン先行で出馬した。築地市場の移転問題も、具体的な積み重ねがない中で政策を打ち出してしまっている」 過去の知事と比較してもトップダウンの印象があるのでしょうか。 後藤氏「石原さんは興味のあることはトップダウン、興味のないことは関知せずのことが多かったので……そのあたりは意外と積み重ね。当時は職員も知事の発信力を生かしながら政策を知事に提案し、打ち出す形が一定程度できていたので、ボトムアップもかなり出来ていた。現在はそれがない」 MC鈴木は「小池さんのスタイルは365日働く人」と評します。その結果、小池都知事がいろんな分野でトップダウンを発揮しているのではないか、と疑問を提示します。 後藤氏「いろんな分野というか……ちょっと前に話題になった外苑再開発の問題では、民間の再開発とはいえ、都民の中で賛否が起こっている中でトップとしてどう発信するか見えなかったですよね。そういう点ではあらゆる面でトップダウンを発揮するわけでもないのかなという気がします」