迫る「闇バイト」の危険 高額案件、即日即金うたう 投稿者に警告最多 北海道警「加担の代償重い」
北海道内で交流サイト(SNS)を介した「闇バイト」の危険が身近に迫っている。札幌市では10月、空き巣や強盗事件が連続発生し、実行役と運転役の男2人が逮捕された。SNSに「高額案件」「即日即金」などとうたう募集があふれ、闇バイトを募った投稿者に北海道警察が出した警告は1~10月で千件超と過去最多を更新した。首都圏で闇バイトの事件が相次ぐ中、若者らが借金苦などから加担するケースが目立っており、道警は「闇バイトの代償は大きい」と強調している。 「金に困り、SNSで『即日即金』と検索した」。札幌市南区の空き家で10月、貴金属を盗むなどした実行役をタクシーで送ったとして、窃盗容疑などで逮捕された札幌市北区のタクシー運転手三田兼輔容疑者(24)は、闇バイトに応募した経緯をこう供述した。 三田容疑者は3月、タクシー会社に入社。同僚に「売り上げが悪くて帰れない」と漏らす一方、借金に悩む様子は見せなかった。入社7カ月後、同じ容疑で逮捕された川崎市高津区の建築作業員鈴木陸容疑者(25)を勤務中のタクシーに乗せ、現場へ。鈴木容疑者は数日後、札幌市豊平区の住宅に侵入し、強盗事件も起こしたとみられる。 闇バイトによる強盗事件は8月以降、首都圏で相次ぐ。10~20代の実行役ら40人以上が逮捕され、秘匿性の高いアプリを使う手口は札幌市の二つの事件とも共通している。運転免許証など個人情報を伝え、指示役から脅されて断れなくなる場合もあり、横浜市では強盗殺人事件に発展した。