【センスあふれる古牧ゆかりさんの部屋づくり】スツール1脚で部屋のムードを格上げ
ルールやスタイルに捉われない、素敵な生き方が息づくスタイリスト古牧ゆかりさんの部屋を数回に分けてレポートし、自分のいる場所を心地よい空気で満たすコツを伺う。第10回は、古牧さんの部屋を彩る椅子からスツール使いにフォーカス 【写真】古牧ゆかりさんの椅子・スツール使い
存在感抜群のアルヴァ・アアルトの名作「スツール60」
たった一脚でも空間の印象をがらりと変えてしまう力が、名作と呼ばれる椅子にはある。古牧さんが愛用している名作は、20世紀を代表するフィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトが1933年にデザインした「スツール60」。 「かつて神宮前にあったインテリアショップQUICO(キコ)で購入しました。ホワイトカラーのヴィンテージで、使い込まれた傷も含めて程よいエイジング感が気に入っています。スツール1脚でも、名作には部屋のムードを作ってしまうほどの存在感があって、やっぱり素敵。好きなものとか、良質なものとか、“いいもの”を常に使い続けることは、心地よい暮らしにもつながると思っています」
再塗装した、ヴィンテージのハイスツール
イギリス製のヴィンテージハイスツールは、自身でブラウンカラーに再塗装し、ファッション撮影の際にも重宝しているというお気に入りの椅子。インテリアやその時の気分に合わせて、再塗装を楽しめるのも木製椅子ならではの楽しみ方かもしれない。 「友人から頂いたもので、以前空間内装のディレクションしていた子供服のお店に置いたらかわいいかも!と思い、ブラウンにオイルコーディングして飾っていました。そのお店の内装を変えるタイミングで家に持ち帰ったあとは、植物たちを飾る場所になっています。今はどんどん大きくなるモンステラの“モンちゃん”の特等席です」
無垢材ならではの生命力あふれる、ヒバのスツール
愛らしい表情を見せる鳥のオブジェ“カラスくん”が佇むのは、青森のヒバを切り出したスツール。中目黒にあるCul de Sac-JAPON(カルデサックジャポン)で購入したものだそう。 「普段はソファの前に置いて、“カラスくん”をちょこんと座らせています。ヒバスツールのすごいところは、まるで呼吸しているかのように切った後もオイルを出し続けること。購入時にはオイル対策用に分厚いフェルトのような敷物を一緒につけてくれるのですが、それを敷いても床のラグにオイルが染みてしまいます。木の持つ生命力って本当にすごい!それにオイルからほのかに香る、ヒバの清々しい香りもとても心地いいんです。無垢材特有のサラサラとした感触も気持ちいいですよ」 古牧ゆかり スタイリスト/ビジュアルディレクター。ファッション誌で活躍後、渡仏。パリに暮らす。帰国後『エル・ジャポン』のファッションエディターに。現在はフリーでファッション、インテリアのスタイリングや動画制作のビジュアルディレクションを手がける。本誌ファッション特集でも活躍中。 BY EMI ARITA