アーセナル“復活”の原動力は移籍戦略?…エドゥSDが語る「注意すべき要素が3つある」
アーセナルのスポーツディレクター(SD)を務めるエドゥ氏が近年の補強戦略について語った。4日、イギリス紙『デイリーメール』が伝えている。 アーセン・ヴェンゲル体制末期からクラブとしての競争力を失い、2017-18シーズンから6シーズン連続でチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃したアーセナル。その後、ウナイ・エメリ前監督の下でも低迷が続いたものの、2019年末に就任したミケル・アルテタ監督がクラブを“復活”に導く。就任当初こそ成績が安定しなかったものの、2022-23シーズンには7シーズンぶりにCL出場権を獲得。昨シーズンは20年ぶりのリーグ制覇こそ逃したが、マンチェスター・シティと最後まで優勝争いを演じ、安定した強さを見せた。 アルテタ監督の戦術やチームマネジメントもさることながら、アーセナルの“復活”は補強の成功によってもたらされたものであると言っても過言ではないだろう。2021年夏にはイングランド代表DFベン・ホワイトや日本代表DF冨安健洋、ノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアらを獲得し現在のチームの基盤が形成されると、翌年のウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコとブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスの加入によって戦術の完成度も高まり、CLへの返り咲きを果たした。 また、昨年夏に獲得したイングランド代表MFデクラン・ライスやドイツ代表FWカイ・ハフェルツらもチーム力をさらに一段階引き上げ、2023年1月に加入したイタリア代表MFジョルジーニョとベルギー代表FWレアンドロ・トロサールも存在感を放っている。2019年にスタッフとしてアーセナルに帰還し、テクニカルディレクターを経て、2022年にクラブ史上初のTDに就任したエドゥ氏は近年の補強について次のように語っている。 「自分の考えや信念、クラブやその将来にとって何が良いのかをしっかりと主張しなくてはならない。私にとっては、サッカーには常に留意すべき要素がいくつかある。私がここへ来た時、スカッドのバランス、年齢、ポジションの3つに注目した。そして、本当に注意を払うべき要素は3つあり、選手の年齢、給与、最後にパフォーマンスだ」 「26歳または27歳以上の選手で給与が高い場合には注意が必要だ。そしてパフォーマンスが低ければその時点で終わりだ。27歳または28歳の選手がいてパフォーマンスが高い場合には受け入れることができる」 積極的な補強の裏では、元ドイツ代表MFメスト・エジル氏やガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(現:アル・カーディシーヤ)らスター選手の放出にも踏み切ったエドゥ氏。選手の放出については着任当初のチーム状況を振り返りつつ次のように語っている。 「スカッド内に居心地の悪さを感じている選手がいれば移籍させた方が良い。チームの助けになる若い選手の成長を阻害する可能性があるからね。私がここへ来た時、選手全員をリスペクトしていたが、ほとんどの選手が26歳または27歳以上で、高額な給与を受け取っているにも関わらずパフォーマンスを発揮できていなかった。そこで私は『このチームを一新して基盤を築かなければならない。より低い給与でより良い将来が約束されており、我々を目指すべき場所に導いてくれる意欲のある若い選手と契約すべきだ』と言ったんだ」 そんなアーセナルは今夏の移籍市場でイタリア代表DFリッカルド・カラフィオーリを獲得。さらにレアル・ソシエダ所属のスペイン代表MFミケル・メリーノの加入も濃厚と報じられている。
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