電気グルーヴ作品の出荷・配信停止に反対 発起人ら会見(全文2)不快感に公共性はない
麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたピエール瀧被告が所属する音楽ユニット「電気グルーヴ」の作品の出荷・配信停止撤回を求めて、署名活動を行う社会学者の永田夏来氏らは15日午後、都内で記者会見を開いた。 【動画】電気グルーヴの音源・映像の出荷・配信停止に反対 発起人らが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「電気グルーヴの音源・映像の出荷・配信停止に反対 発起人らが会見」の中継開始時間を基準にしております。 ◇ ◇
宮台氏「ソニーは事なかれ主義に堕している」
宮台:はい、社会学者の宮台真司です。立場上、若干、学問的な話をさせていただきます。4つの論点をお話ししますが、最初は表現規制とゾーニングっていう話をしたいと思います。今回のソニーミュージックの販売と在庫と配信の封印のような措置が、日本にしかない非常に特殊な出来事ですね。日本にしかありません。これは簡単に言うと、ソニーが、ソニーミュージックが何も考えていない、事なかれ主義に堕していることの証拠です。それは例えば、社会的影響に鑑みてというふうな文言に見て取られるとこです。 この社会的影響っていう話について言いますと、1960年代後半にジョンソン大統領の下でのわいせつとポルノグラフィーについての大統領のための諮問委員会っていうのが開かれて、そこで実は今日に至る表現規制の枠組が確立しています。まず第一に、問題表現による社会的悪影響はまったく実証できないということです。問題表現っていうのは、性表現や、暴力表現や、犯罪者を描いた表現や、犯罪者による表現です。 しかし、こうした表現に不快感を覚える人間も中にはいます。しかし人々の感じ方は多様なので、不快感を感じる人間がいるということは、なんの公共性もありません。なので、あともう1つ、例えば暴力表現や性表現を抜きには踏み込めない公共的表現があります。犯罪者にしかできない公共的表現もありますね。例えば、独裁政権下での反政府活動としての出版なんかが典型ですよね。 こうした点に鑑みて、要は不快だという人間が、不意打ちを食らわないように、回避すればいいだけ。簡単に言うとアナウンスとゾーニングだけで問題は解決できる。これは今日に至る基本的な発想です。日本ではこうした先進国ならば当然踏まえているべきやり方を、まったくわきまえていない。炎上している連中がいる、だからなんだ。ただそれだけのことですね。なんの公共性もない。そういう問題ですね。