2位じゃダメですか?→「J2優勝」にこだわり抜いた名将の言葉が納得感しかない
私は過去、青森山田時代に高校サッカー選手権で3度の優勝を果たし、「名将」という過分な称号をもらいました。その結果を実現できたのは、その年のチーム発足時から優勝を目標に掲げ、徹底的にそのための準備をしてきたからです。 ベスト8を狙っていたら、それ以上の結果に到達する可能性は低い。もちろん、優勝を狙っていても実現しない場合がほとんどだと思います。ただ、金メダルを狙うから、金メダリストになれる。優勝を狙うから、優勝チームになれる。2位でいいという考えでは、そこにすら届かない可能性が十分あります。 優勝を目指すためには、そのための「日常」を構築する必要があります。まさにそこが重要なポイントなのです。チームが優勝を目指す理由はそこにあります。 かつて東日本大震災が発生した2011年に、サッカー女子日本代表“なでしこジャパン”はFIFA女子ワールドカップで初優勝を果たし、どれだけ多くの人々に勇気や感動を与えたかわかりません。 大会後に佐々木則夫監督(当時)は「ワールドカップではベスト4を目指していたらベスト4以上にはなれない。優勝を目指したチームのみが、優勝できる」と話されていたのを覚えています。まさにその通りなのです。
ただそこで重要なのは、チームとして優勝を目指し続けて「日常」や「取り組み」を充実させることで、何の根拠もなく、日々の意識も低いままで、簡単に目指せるものではありません。 勝者のメンタリティをチーム内に根付かせるため、細部に拘り「心技体」におけるハイレベルを意識させ、徹底して積み上げていくのです。日々の「継続」が、無意識の「習慣」となるよう、繰り返し、繰り返し浸透させていくのです。 ● 頂点に辿り着くために必要な 「思考」「実践」「習慣」 優勝するチームと準優勝に終わるチームには大きな違いがあります。 結論を言うと、頂点に辿り着くために必要なのは「思考」と「実践」、そして「習慣」です。 私の経験から話すと、優勝するチームは「隙がないチーム」。隙がないチームは、選手やスタッフ、すべてのメンバーの「思考」や「実践値」が違います。勝つための思考をチームや組織全体で共有し、実践できるチームは強いのです。 もう1つ大事な要素は「習慣」です。 良い習慣、勝つための習慣というものがあって、いかに早い段階でチーム内にこの習慣を浸透させることができるか。そうすることでチームから良い発想、良い判断、良い行動というものが自然に生まれてきます。これが組織を蘇生させる「鍵」になります。