「信頼回復は簡単ではない。再発防止対策を着実に進める」不祥事続いた鹿児島県警に就任した岩瀬聡本部長が会見〈岩瀬本部長の一問一答付き〉
鹿児島県警の岩瀬聡本部長(50)が5日、県警本部で就任会見を開き、相次ぐ不祥事を受けた組織改革について「内輪の論理だけではなく、外の意見が大変重要。(県警の)中だけでやっている訳ではないと説明しながら進めたい」と強調した。「再発防止対策を着実に進め、日々の業務でも成果を上げる責任が課されている」とも述べた。 現職警官ら6人逮捕、離任間際に不適切対応延べ38人処分…不祥事の隠蔽疑惑も取り沙汰された県警トップは在任2年1カ月を振り返り「疑念晴らせず心残り」
会見冒頭、起立したまま「多大な心配と迷惑を掛けたことを深くおわびする。信頼回復は一朝一夕にはできないが、県警が変わったと感じてもらえるよう日々努力したい」と言及した。 自身の強みを「バランスよく調整できること」と分析し、「本部長は組織をまとめる役割。警察以外の人との付き合いも通し、進むべき方向を相談しながら考えたい」と語った。経歴は交通部門が比較的長く、「交通事故は現代社会が生み出した不幸な産物。まだまだ減らせるという思いで仕事をしてきた。一件でもなくしたい」と意気込んだ。 東京都出身。1999年に警察庁に入り、茨城県警捜査2課長、在ベトナム日本大使館1等書記官、警視庁警備1課長、警察庁交通規制課長などを歴任した。 ◇ 5日にあった、鹿児島県警の岩瀬聡本部長(50)の就任会見での主な質疑は次の通り。 -県警の一連の不祥事を知り、どう感じたか。 「警察活動に支障をきたし、県民になすべき奉仕ができなくなってしまうのではと思い、一警察職員として心を痛めた」
-野川明輝前本部長からどのような引き継ぎを受けたか。 「業務運営全般のほか、非違事案の経緯や再発防止対策の内容について、しっかり引き継いだ」 -県議会への対応と今後の説明責任の果たし方は。 「議会対応については今後の話のため、答えかねる。県警の業務に関することは、現職の本部長が責任を持って対応すべきと考えている。再発防止に向けた取り組みなど、さまざまな場で丁寧に説明していく」 -再発防止対策の運営方針は。 「職員から話を聞き、県警の現状を自分の目で確かめる。職員全体で熱意を維持できるよう心を砕いていきたい。私自身が積極的に率先して取り組む」 -再発防止対策の中で、特に必要だと思う項目は。 「(進捗〔しんちょく〕管理などを担う)改革推進委員会で、本部長が組織内外の意見や知見を取り入れることが重要だ。(県警の)中だけでの取り組みではないと示していく」 -県民の信頼回復に向けた抱負は。
「信頼回復は簡単ではない。再発防止対策を着実に進め、本来の警察活動で結果を出すことが重要。やれることは何でもやる」
南日本新聞 | 鹿児島
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