【グランプリ受賞】森崎ウィンが初監督! ミュージカル映画『せん(SEN)』について、別所哲也と語る
「彼しかいない」と脚本を直談判
脚本を担当したのはミュージカル界で有名な劇団TipTapの上田一豪。以前、上田の作品を観た際に感動し、「日本でオリジナルのミュージカルを作るなら(脚本を)書けるのは彼しかいない」と感じたのが依頼した経緯だと、森崎は語った。 別所:「こんな映画を作りたい」という原案を、森崎さんが伝えたんですか? 森崎:打ち合わせをして「僕がいま表現したいのはこういうものです」と、原案を伝えました。出身のミャンマーで起きていることや、自分自身が感じること、世の中に対してこういう風に見えているなどの話をブワーッと。生い立ちも含め、インタビュー形式みたいな感じで上田さんに話しました。 別所:(『せん(SEN)』は)中尾ミエさんが主演です。ある場所で、1人の年を重ねた主人公から見る世界だったり、そこに重なるウィンくんのいま言ったようなご自身の生い立ちも含めたことが重なる作品ですね。なんて自然に歌が始まるんだろうと(感じさせられる)。ウィンくんも出ているよね。 森崎:「出なきゃいけない」というルールなので(笑)。 別所:必ず監督をする俳優さんがちょっと出るというルールですね。千葉雄大さんやほかの方々の作品も、ご自身がちらっと出てきます。仲里依紗さんも福士蒼汰さんもそうだし。森崎さんもとある役で、そのお家に訪ねてきます。どうして『せん(SEN)』というタイトルなのでしょうか。 森崎:正直ひらがなでもよかったんですが、世界に向けて出すときに「サブタイトルみたいなのを付けるのは嫌だよね」となりまして。じゃあ英語タイトルも一応決めておきましょうかということだったんです。なんか「LINE(線)」と書いてしまうと、日本で「せん」はたとえば「線」もありますし「いくさ」の「戦」だったりとか、そういうことも含めたかったんです。 別所:いろいろな「せん」からイメージできる世界が凝縮されているんだ。 森崎:凝縮したかったんです。それを英語で表現するとそうはいかないじゃないですか。なので音の響きだけを取りまして『せん(SEN)』にしました。