伊豆諸島の鳥島東方海域で４月、海上自衛隊のＳＨ６０Ｋ哨戒ヘリコプター２機が墜落した事故で海自は１１日、行方不明の隊員７人について死亡と判断したと発表した。死者は計８人となった。海自は隊員や機体の主要部分の捜索を続ける。 海自は同日、事故後に救助され、死亡確認された１人を含む８人の年齢について事故当時２１～４７歳だったと公表。４月２０日付で１階級ずつ特別昇任させる。６月２２日に１機が所属していた大村航空基地（長崎県）で、同３０日にもう１機の小松島航空基地（徳島県）で、葬送式を行う予定。 海自トップの酒井良海上幕僚長は１１日の記者会見で、「優秀な技量を持った隊員８人を失ってしまったことはまさに断腸の思いだ」と述べた。 事故は４月２０日深夜、潜水艦を追尾する対潜戦訓練中に発生。回収された飛行記録装置（フライトレコーダー）の解析から２機が飛行中に衝突、墜落したと判明した。 海自は海上保安庁や米海軍の協力を得て海上の捜索活動を行ったが、機体の主要部分は水深５５００メートルの海底に沈んでいるとみられる。海洋観測艦「しょうなん」で海底データを収集し、現在も分析を進めている。 海自によると、平成７年に相模湾でＭＨ５３Ｅ掃海ヘリが墜落し、８人が死亡した事故と並び、海自のヘリ事故では過去最悪の犠牲者数となった。