BMW新型R1300GS試乗「9馬力アップに12kg軽量化、ワインディングではその軽さが効く!」
それでいて、分厚いトルクでコーナーを脱出して加速する様は、まさにオーバーリッタークラス。大きな車体を自然に、支配下で操っているかのような優越感を乗り手に与えてくれる。そして、オーバースピードで飛び込んでしまったタイトコーナーの直前やコーナー途中でも、制動を効かせつつラインを大きく逸脱せずにクリア。元々前後ピッチングが少なく車体挙動に不安を覚えない構造のテレレバー/パラレバーと、うまく車体を安定させて減速可能なフルインテグラルブレーキの恩恵を実感することだろう。 また、レインからロード、ダイナミックまでパワーモードも試したが、レインは明らかにパワーセーブを感じさせ、スロットル操作に対して穏やかにエンジンレスポンスする(だがこれでも十分パワフル)一方、ロードはその1.2倍増しくらいの感触。そしてダイナミックは、ロードモード以上にスロットル操作に対してダイレクトかつ豪快にパワーを出す印象。慣れない道では怖いくらいだが、そこはきっと前述したブレーキのほか、トラクションコントロールで何とかしてくれそうな気もする。ただし、過信は禁物。いくらライダー支援の電子制御が進化しようと、それが拾えない危険な挙動だってあると思うからだ。しかしながら、便利になった電子制御技術を全面的には信用ならんと思う考え、古臭いオッサンライダー(筆者)の偏見なのだろうか。 report●阪本一史 photo●岡 拓/BMW
BMW R1300GS主要諸元
■エンジン 空水冷4サイクル水平対向2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク106.5×73mm 総排気量1300cc 圧縮比13.3 燃料供給装置:電子制御式インジェクション 点火方式トランジスタ 始動方式セル ■性能 最高出力107kW(145ps)/7750rpm 最大トルク149Nm(15.1kgm)/6500rpm ■変速機 6段リターン 変速比 1速2.438 2速1.714 3速1.296 4速1.059 5速0.906 6速0.794 一次減速比1.479 二次減速比2.910 ■寸法・重量 全長2210 全幅1000 全高1405(ウインドスクリーンロー状態) 軸距1520 シート高850(各mm) ステアリングヘッド角度63.8° キャスター112mm タイヤF120/70R19 R170/60R17 車両重量250kg ■容量 燃料タンク19L(リザーブ約4L) ■車体色 <スタンダード>ブラック・ストーム・メタリック、レーシング・ブルー・メタリック <ツーリング>レーシング・ブルー・メタリック、ブラック・ストーム・メタリック、アウレリウス・グリーン・メタリック <GSスポーツ>レーシング・ブルー・メタリック ■価格 284万3000円~336万8000円 なお、日本で販売されるR1300GSはスタンダードが2色(青と黒。黒には電動調整スクリーンと幅広のウインドプロテクターを装着)、オフ性能を高めた「GSスポーツ」が青1色、上級グレードの「ツーリング」が3色(青、黒、緑/※緑は各部操作系をオプションパーツにしたOption719を追加装備)となっている。