水森かおり 演歌歌手を目指したキッカケはホームステイ
“ご当地ソングの女王”として『鳥取砂丘』や『伊勢めぐり』など数々のヒット曲を世に放っている演歌歌手の水森かおり。最近では12年連続出演中の「NHK紅白歌合戦」での巨大ドレスでも話題を集めている。今年でデビュー20周年の節目を迎えて、今や日本を代表する女性演歌歌手の一人といっても過言ではない水森だが、意外にも演歌歌手を目指した原点は米国でのホームステイにあった──。
ご当地ブームに先駆けて99年に『竜飛岬』をリリース
今年4月発売の新曲『大和路の恋』が12作連続でのオリコンランキングトップ10入りを果たし、「連続トップ10獲得作品数(12作品)」、「連続TOP10獲得年数(12年連続)」、「通算TOP10獲得作品数(12作品)」で女性演歌歌手による歴代1位の記録を更新した水森。ヒット曲が生まれにくいと言われる昨今の演歌界にあって輝かしい記録だが、「素直にうれしいです。ただ、スタートも大事ですけど、やはり演歌は長く愛して頂くことが重要だと思うので、応援してくださるファンのみなさん、支えてくださるスタッフのみなさんに感謝しながら、これからも大事に歌い続けていきたいです」と気を引き締める。 今や“ご当地ソングの女王”として認知されている水森は、99年発売のご当地ソングの第1弾と言われる『竜飛岬』を皮切りに数々のご当地ソングを歌い続けてきた。ご当地グルメやご当地キャラなど、いわゆる“ご当地ブーム”の先駆けとも言える存在なわけだが、「とんでもない! 恐縮してしまいます」と謙そんしつつ、自身の転機となった曲として02年の『東尋坊』を挙げる。
演歌歌手として転機となった『東尋坊』
「発売当時から、目に見えて周囲の反応が違っていて。それまでは(新曲のキャンペーンで)商店街とかで歌わせて頂いても人が流れていたんですよ。一瞬、パッとこちらを見てくださる方もいたのですが、『なんか歌っているな』という感じでスーッと通り過ぎられて。それが、『東尋坊』の時はフッと歩みが止まったんです。自分でも『あれ? 今までとは全然反応が違う!』と思いましたし、初めて手ごたえというものを感じました」。 同曲はヒットを飾ったものの、残念ながらその年の大みそかのステージに立つことはできなかったが、「『東尋坊』で初めて『紅白』という舞台が自分の中で明確な目標にできたというか、出場者リストに自分の名前が載っていないのを見て悔しいと思ったんです。それまでは当たり前のことで気にしたこともなかったんですけど。そういう中で、翌年に出合ったのが、『鳥取砂丘』でした」。 翌03年に発売した『鳥取砂丘』で「紅白」初出場を果たした水森は、05年には『五能線』で「日本レコード大賞」の最優秀歌唱賞を受賞するなど、演歌歌手として一気にスターダムを駆け上がる。