【コラム】全欧2歳王者シティーオブトロイ、2000ギニー惨敗も英ダービー断然人気
競馬ファンにとってはたまらない季節がやってきました。スター候補がそろった日曜の日本ダービーが終わると、翌週の6月1日(土曜)にはロンドン郊外のエプソムダウンズ競馬場で英国ダービー(芝2410メートル)の幕が開きます。 今シーズンはデビューから2度の重賞勝ちを含む3連勝で全欧2歳牡馬王者に輝いたシティーオブトロイ(牡3、父ジャスティファイ)の下馬評が高く、クラシックも独壇場という見方が一般的でした。しかし、4日に行われた英2000ギニー(芝直線1600メートル、ニューマーケット)に姿を現したシティーオブトロイはファンの目前で馬群に沈んで伏兵ノータブルスピーチに大きく離された9着に惨敗。1強ムードは崩れ、英ダービーの1番人気の座も前哨戦のG3クラシックトライアルに完勝したアラビアンクラウンに譲っていましたが、先週末にアラビアンクラウンの故障が判明して、シティーオブトロイが本命の座に戻っています。 一部ではジャスティファイ産駒に見られている早熟傾向から断然人気に疑問を投げかける声もあるようですが、A・オブライエン師は「2000ギニーの敗戦は馬を大事にしすぎた結果」と分析、依然としてダービーに一番近い存在であることをアピール。昨年もオーギュストロダンが英2000ギニー惨敗のあと英ダービーで巻き返した前例があるだけに、そのコメントは人気の裏付けとなってシティーオブトロイの前売りオッズは英2000ギニー前の3倍前後に戻っています。 最大のライバルはT・マーカンド騎手とのコンビで16日のG3ダンテS(芝2050メートル、ヨーク)を6馬身差で圧勝したエコノミクス(牡3、父ナイトオブサンダー)と見られていますが、管理するW・ハガス師は慎重な姿勢を崩さず、まだ出否を決めかねているようです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)