“ぎぼむす”“きみセカ”で注目の美少女・横溝菜帆、世界的に大ヒット中のピクサー最新作では思春期の女の子を快演
「義母と娘のブルース」(2018年ほか、TBS系)でのちょっぴり生意気だけど心優しい女の子、「君と世界が終わる日に」(2021年ほか、日本テレビ系ほか)での主人公らと共に死線をくぐり抜ける少女役などで注目を集めた横溝菜帆が、世界的に大ヒット中の映画「インサイド・ヘッド2」で、主人公・ライリー役の日本語吹き替え版声優を務めている。ライリーはハイスクールへの入学を控えた思春期真っ盛りの少女だが、横溝自身も現役高校生ということで等身大の演技を披露。快活かつ“思春期らしい”ちょっぴり複雑な心境も声色の変化で絶妙に表現している。日本公開から2週間経過したが、夏休み期間中ということで今後も多くのファンが“追いインサイド・ヘッド2”をすることだろう。そこで、今回は幼少の頃から芸能界で活躍する横溝のキャリアをあらためて紹介する。 【写真】まだ幼い…!義母役・綾瀬はるかとの“ぎぼむす”当時のツーショット ■子役時代から有名俳優の“幼少期”役で活躍 放送中のドラマ「海のはじまり」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)の泉谷星奈や、「西園寺さんは家事をしない」(毎週火曜夜10:00-11:00、TBS系)の倉田瑛茉など、主人公や準メインキャストの娘役は登場シーンが多いことから注目を集めやすく、その後の出演作でも「あのときのあの子か!」と妙に懐かしい気持ちになったり、「大きくなったな~」と甥や姪を見る親戚のような視点で見てしまったり。その辺は子役あるあるだろう。逆にいつまでもそのイメージがつきまとって苦労することもあると聞く。 今回注目する横溝は2008年3月27日生まれ、現在16歳の高校2年生で、前述の2人と同じく幼い頃からメイン級のキャストの幼少期役を務めている。横溝は大河ドラマ「平清盛」(2012年、NHK総合ほか)の滋子(成海璃子)の幼少期役など子役時代から活動し、俳優としてのキャリアはもう10年以上、実に30作以上のドラマや映画にその名を刻んでいる。「息もできない夏」(2012年、フジテレビ系)の武井咲や大河ファンタジー「精霊の守り人」(2016年、NHK総合)の綾瀬はるか、映画版「兄に愛されすぎて困ってます」(2017年)の土屋太鳳、「義母と娘のブルース」の上白石萌歌、連続テレビ小説「スカーレット」(2019年、NHK総合ほか)の大島優子…と、そうそうたるキャストが演じたキャラクターの幼少期役を務めてきた。 その中でも特に話題を集め、横溝の名を世に知らしめたのは“ぎぼむす”こと「義母と娘のブルース」シリーズの宮本みゆき役だろう。母を早くに亡くし、父の再婚相手である主人公・亜希子(綾瀬)と義理の母娘の縁で結ばれるみゆき役は総勢277人、6度にわたるオーディションを突破して抜てきされた。最初は「この人嫌だ!」と反発していたが、徐々に義母の不器用な愛を受け止め、心を通わせていくさまを実に繊細に演じ、感動を呼んだ。子どもならではの少し生意気な感じもほほ笑ましく、ちょっと拗ねた演技が絶妙にうまかった。成長してみゆき役が上白石に受け継がれても「菜帆ちゃんのみゆきもまた見たい!」「菜帆ちゃんロス」といった反応もあったほど。 そしてもう1作、こちらは幼少期ではなく“本役”で、彼女を語る上で欠かせないのが2021年にシーズン1が放送された「君と世界が終わる日に」シリーズだ。“きみセカ”の愛称などで親しまれた同作は日本テレビとHuluの共同製作によるサバイバルラブストーリー。主人公・間宮響(竹内涼真)が死と隣り合わせの終末世界を生き抜いていく姿を描く物語で、シーズン2からはHuluで配信され、2024年に劇場版とシーズン5で完結を迎えた。 横溝演じる結月は、シーズン1から登場。街に残された生き残りの小学生で、喘息の持病があり、定期的な薬の摂取を必要とする。ゴーレムがはびこる普通じゃない世界で、時に非情な決断をしたり、過酷な思いをしたり、されたりしながらも気持ちを強く持って前に進んできた。主要キャラクターといえど途中のシーズンで命を落とす者が多い中、結月はシーズン5(※シーズン4は出演なし)まで生き残った。大人に守られる弱い立場から、自分で道を切り開く大人顔負けの強い女性へと成長していくさまをシーズンを通して演じ切り、こちらも現時点での彼女の代表作といってもいいほどの作品に。“ぎぼむす”もそうだったが、やはりちょっと強気な少女というキャラクターがよくハマっている。 ■最新作では“思春期”の女の子を好演 そんな横溝の最新作は、「第88回米国アカデミー賞」で長編アニメーション賞を受賞した「インサイド・ヘッド」(ディズニープラスで配信中)の続編となる映画「インサイド・ヘッド2」。世界各国では6月14日から公開され、8月1日の日本公開から12日までの累計動員数は156万2982人を達成した。さらに累計興行収入は20億41万9600円となり、2024年の洋画作品最速の公開12日間(前夜祭興行を除く)で興行収入20億円を突破している。 横溝が演じるのは前作で小学生だった明るく元気な女の子・ライリー。ハイスクール入学を控えたティーンエージャーに成長した彼女の感情には、これまでの「ヨロコビ」や「カナシミ」などに加え、「シンパイ」「ハズカシ」「イイナー」「ダリィ」といった大人の感情たちが新たに登場。元来の明るく快活な感じだけでなく、思春期ならではの悩みや葛藤を見事に表現している。 ライリーは基本的に明るい性格だが、横溝自身も前向きな部分は似ているという。今回の作品での当メディアのインタビューで、横溝は高校生になってこれまでより成長したなと思った部分について「小さいときは泣いてばかりだったので、前向きに考えられるようになった」と変化を明かしており、「一度決めたことは最後まで貫き通すという意志の強さは中学生の頃より少しは成長できているのかなと。何か具体的な出来事があったというわけではないのですが、高校生は大人と子どもの中間。もっと大人にならなきゃっていう思いから意志の強さが生まれたのかなと思っています」と語っていた。 一人の俳優として今後ますます多くの視聴者を“ヨロコビ”に満ちた表情にさせていく姿をこれからも“遠い親戚”のような目線で見守りたいところだ。 映画「インサイド・ヘッド2」は全国公開中。 ◆文=森井夏月