「桜蔭学園」がタワマン計画に異議、東京地裁に差し止め提訴…隣接し「圧迫感やのぞき見の危険性」
東京都文京区の超高層マンション建設計画を巡り、建設予定地に隣接する私立女子中学・高校を運営する学校法人「桜蔭学園」が、日差しが遮られて教育環境が悪化するなどとして、東京都に対して計画の申請を許可しないよう求める差し止め請求訴訟を東京地裁に起こしていたことがわかった。提訴は8月15日付。
訴状などによると、問題となっているのは、同校と隣り合う8階建てマンションを20階建て(高さ約70メートル)に建て替える計画。この地域では、区の都市計画で建物の高さが46メートルまでに制限されているが、マンション管理組合側は2022年、一般の人が自由に通行できる「公開空地」を設ける代わりに、高さ制限を緩和する設計許可を都に申請した。
校舎と新たなマンションの距離は約11メートルで、約1400人の生徒が通う学園側は「高層マンションが建つと一日中、日が差さなくなるほか、圧迫感やのぞき見の危険性におびえながら学習を強いられる」と主張。建て替え工事に伴う防災上の危険性もあると訴え、申請を許可することは都の裁量を逸脱するとしている。
都は現在、マンション管理組合側の申請を許可するか検討中で、読売新聞の取材に「許可することに裁量の逸脱はなく、差し止めに理由はないことを主張していく」とコメントした。