”別腹”ピリ辛系が隆盛!年間600杯ラーメン女子・森本聡子が推す「2025年に食すべき10杯」
若い女性が新しいトレンドを作る
食材・光熱費の高騰や人材確保・維持のための賃上げなどが収益が圧迫し、飲食店の倒産が過去最多ペースとなった2024年。東京商工リサーチの調査結果によると、ラーメン店の閉店は2024年9月までで、すでに年間最多を更新したという。 【何カロリー?!】男前すぎるがヘルシーな「‘25年に食べるべき一杯」 年間600杯以上のラーメンを食すラーメンイベントプロデューサーで“ラーメン女子”として情報を発信している森本聡子さんは「業界は飽和状態に入った」と指摘する。 「2024年のラーメントレンドは目立った変化がありませんでした。そんな中で注目を集めたのが、昔ながらの中華そばを今風に進化させた“ネオ系”ラーメン。一方で、ラーメンを食べる女性の増加とともに辛いラーメンが“別腹”として人気を集め、特にピリ辛系ラーメンに対する積極的な挑戦の声が増えました。中には唐辛子の種類を見分け、味の違いを楽しむSNS発信者も増加し、辛さの世界が多様化しましたね」 食べることで爽快感やストレス発散につながる辛いラーメンは、特に若い女性の間でブームとなっているとか。 「今や行列に若い女性の姿があることも珍しくなく、ラーメン業界の新しいトレンドを作っていることを示している気がしています。この現象は、今後のラーメン業界の動向に大きな影響を与えるのではないでしょうか」 そんな彼女に2025年に食すべき10杯を選んでもらった。 ◆①ラーメンスミス【宮城・仙台】 仙台で注目の煮干しラーメン店『ラーメンスミス』は、大量の煮干しから生まれる骨太スープと奥深い味噌ダレが魅力的! 特に『からいしびれる味噌らーめん』は仙台味噌と山椒、唐辛子の最強トリオが織りなす一杯。 華やかな香りと刺激がクセになってリピーター続出中。アーティストさんも多数ご来店している話題のお店なので、他県からでも訪れる価値ありです。仙台ラーメンのポテンシャルの高さや魅力が詰まったお店をぜひ体感してみて下さい。 住所/宮城県仙台市宮城野区原町1-3-21 営業時間/11:00~15:00 18:00~22:00(スープがなくなり次第終了)定休日/毎週水曜、12月31日~1月3日、そのほか臨時休業あり ◆②ガリデブチュウ【宮城・仙台】 仙台市で約10年間飲食店を営んだ後、‘20年にラーメン業界へ進出した『ガリデブチュウ』。痩せている人も太っている人も、すべての人がお腹いっぱいになれるよう願いを込めたユニークな名前が特徴的で、若者を中心に人気店になっています。 看板メニューの『麻婆麺』は注文率80%超を誇り、激辛好きにはたまらない『超麻辣麻婆麺』など個性豊かな辛さのバリエーションが揃っています! ほかにも食感や風味が楽しめる汁なしシリーズも充実。辛党必見の注目店です。 住所/宮城県仙台市若林区河原町1丁目5-13 営業時間/(火~土)11:00~14:30、17:30~21:00 (日) 11:00~14:30 定休日/毎週月曜 ◆ミシュランガイドにも掲載 ◆③柳家【岩手・盛岡】 1975年に創業された盛岡市の超人気店。地元でソウルフードと称され、看板メニューの『元祖キムチ納豆ラーメン』は岩手県内のほか、ベトナム・ハノイでも愛されています。納豆が嫌いだった私でも克服できるほどで、キムチ鍋のような味わい。 特に驚きなのは、小麦を自社農園で育てていること。モチモチの自家製中太麺は魅力的! 全国的にはほとんど見かけない超レアなジャンルのラーメンだからこそ、見かけたら必食な一杯です。 住所/【総本店】岩手県盛岡市大通2丁目1-23 サンクィーンビル1階 営業時間/(月~土)11:00~27:00 (日)11:00~24:00 定休日/なし ◆④らぁ麺ひでよし【山形・上山市】 日本一のラーメン消費額を誇る山形県に現れた話題の新店。店主は学生時代に出会った『赤湯辛味噌ラーメン』に惚れ込み、約20年の飲食業界経験を経て開業。 山形と京都の煮干しを丁寧に仕込み、鶏と豚のダシを合わせたダブルスープに独自ブレンドの味噌ダレを加えて、深い旨味を引き出しています。麺は山形市の「酒井製麺」と共同開発した手もみ特製細縮れ麺を使用。一度食べたら忘れられない、ヤミツキ必至の一杯です。 住所/山形県上山市十日町8-28 営業時間/10:50~14:30 定休日/毎週月曜日(祝日の場合は火曜日) ◆⑤創作麺工房 鳴龍 NAKIRYU【東京・豊島区】 ここの『担々麺』をカップラーメンで知った人も多いと思いますが、お店で味わうとその完成度に驚かされます。齋藤店主は中華料理の道から修行を重ね、香港で料理長を務めた後に2012年に大塚で独立。ミシュランガイドにも掲載される名店として、世界的な評価を得ています。ここの『担々麺』の最大の魅力は辛味の中にも、しっかりと出汁の旨味を感じられる点。『担々麺』のみならず、どのラーメンも一級品と言われる究極の味です。 住所/東京都豊島区南大塚2丁目34-4 SKY南大塚 1F 営業時間/11:00~15:30(整理券制) 定休日/火曜日、12月31日~1月8日 ◆⑥薬膳ラーメン辛紅【東京・渋谷区】 あの『AFURI』が手がける辛いラーメン専門店。原宿にもオープンして注目を集めています。薬膳ラーメンを冠に掲げており罪悪感は皆無、ヘルシーでありながら満足感の高い“ぷるとろ”チャーシューのトッピングも魅力です。 辛さは0~8丁目、さらに激辛の28丁目まで選べます。辛いのが苦手な方には柚子白醤油ラーメンやヴィーガンラーメンもあり、同行しやすいのが嬉しいポイント。国産丸鶏や魚介を使った鶏清湯スープに、数種類の唐辛子と辣油を加えた奥行きある辛さが特徴。普段1度しか足を運ばない私がもう5回は通ってしまっているヤミツキ店! ヒーハッ♪ 住所/東京都渋谷区神宮前4-29-9 オンデンビル 1F 営業時間/11:00~23:00 定休日/12月31日~1月2日、1月3日は11時~21時(L・Oは30分前) ◆”怖くないG系ラーメン” ◆⑦カプサイメン【愛知・一宮】 東海エリアで話題沸騰中の“食べるサウナ”と呼ばれるラーメン店。『蒙古タンメン中本』や『辛麺屋 桝元』などを食べ歩いた中でも特にお気に入りの味です。 唐辛子・ニンニク・挽き肉を合わせた旨辛醤油スープに、卵でふわっと閉じ込めた『唐辛子卵とじラーメン』が特徴で、辛さやトッピングを自由にカスタマイズ可能。さらに『岐阜タンメン』を運営する会社なので、岐阜タンメン好きは絶対にハマること間違いなし! 住所/【本店】愛知県一宮市伝法寺7丁目1-7 【名古屋守山店】愛知県名古屋市守山区白山2丁目710 【岐阜店】岐阜県岐阜市前一色西町13-2 営業時間/11:00~深夜1:00 定休日/年中無休 ※12月28日~1月5日は期間限定でファストパスを実施中 ◆⑧四川料理 駱駝【京都・京都市】 京都芸術大学近くにある、緑の外観がフォトジェニックな本格四川料理の人気店。山椒や唐辛子、自家製調味料をふんだんに使った深いコクと辛みが特徴で、ランチタイムは行列必至なので予約をおすすめします。 特におすすめは山椒の辛さと芝麻醤(チーマージャン)の甘さ、肉味噌、細麺が絶妙にマッチした『担々麺』。爽やかな辛さが口の中に広がり、一口目からその美味しさに圧倒されること間違いなし!女子会にもデートにも! 住所/京都市左京区北白川瀬ノ内町27-4 営業時間/11:30-13:45、17:30-20:45 定休日/毎週月曜日、第1・3火曜日、12月30日~1月4日 ◆⑨クスクスラーメン【広島・広島市】 テーブル席もあるおしゃれな店内で女性にも人気で、“怖くないG系(二郎インスパイア系)ラーメン”として注目されています。密かな人気メニューである『ブチ郎ラーメン』は広島弁で「とても」を意味する「ぶち」を冠した圧巻の一杯。 大阪『高井田系ラーメン』と『スタ満二郎』を融合させた極太麺と濃厚醤油スープが特徴で、ホルモンや卵黄、広島産もやしなど豪華なトッピングが魅力的。背脂やニンニクの「マシ」が無料で、辛さも選べ、自分好みに楽しめるラーメンです。 住所/【横川店】広島県広島市西区横川町2-12-9 営業時間/11:00~14:00、17:30~21:00(L・O 20:30)定休日/不定休 ◆⑩関目団長【大阪・大阪市】 いたるところに「男」という文字を見かけますが、もちろん女性が入っても大丈夫です。店内もかなり体育会系な雰囲気で食べる前から気合いが入ります。旨辛から激辛までメニューが選べますが、激辛メニューは食べるのに誓約書が必須! とのことで、激辛界隈ではかなりメジャーなお店。 私は旨辛味噌を注文しましたが、スープの赤さほど辛くなく、ピリ辛で安心して食べられます。特製の辛味噌と鳥取の再仕込み醤油を合わせたスープに、太麺か細麺を選べます。途中でお酢を加えると、さっぱりとした味わいになりますヨ! 住所/大阪府大阪市城東区成育5-23-2-101 営業時間/11:30~15:00、18:00~23:00 定休日/木曜日(祝日は営業) いかがだったでしょうか? 2025年の「ラーメン食べ始め」の参考にしていただけたら幸いです! 取材・文/水野好美 編集プロダクション、出版社勤務を経てフリーライターに。趣味の国内ディープスポット巡り、公営ギャンブル関係の仕事のほか、芸能人のインタビューまで幅広く執筆中 撮影/森本聡子
FRIDAYデジタル