コカ・コーラを日本一売った男が営業人生を振り返る...部門移動や挫折を経て辿り着いた営業マンの「極意」
営業で日本一になった理由
また、北海道を含めた他のボトラー社の営業担当者が、現場視察の名目で四国に来てくれました。もちろんこちらの営業方法、現場での活動を紹介します。しかし、わざわざ遠くから来てくれた彼らを自分の営業に使わないともったいない。 ですから、取引先のチェーン店のオーナーに、「北海道から、是非、貴店を見させていただきたいとの要望があります。ご挨拶に伺わせていただけないでしょうか」といった具合にお願いに上がります。結構、調子のいい立ち回りですが、北海道の営業担当者にとって、こちらの店舗を訪問することが自分たちの営業の糧になるのは事実ですし、訪問先のチェーン店も悪い気はしません。遠路はるばる、自分たちのお店に訪れ、勉強させてください、と言ってくるのですから。 こうした活動が、私と取引先とのより強固な関係を築くことにつながったのです。 前述の調理師の会、さらには社内営業で良好な関係となった他部署の協力。すべてを営業の力とすることで、業績も一気に向上してきました。新規開拓件数、機材の設置台数は、いつしかトップです。その年の売上は前年の1.5倍となり、さらに翌年は前年比で1.2倍と連続で2桁のアップです。 こうやって、高い山を乗り越えることができたのです。 その後、全国のボトラー社からの選抜メンバーに選ばれ、さらには、浦安で開催された全国セールスフォース大会では5000人の前で自分の営業活動をプレゼンすることとなったのです。 私がセールスフォースコンテストで全国第一位になることができたのは、私に特別な能力があった訳ではありません。私が日本一になった理由を挙げるならば、いままでの延長線上に囚われず、ものの見方を変え、営業に工夫を加えたこと、社内外にネットワークを築いて多くの人に助けてもらったおかげです。 『あなたの会社は大丈夫? ...日本企業が見習うべき、コカ・コーラ社流「時間を無駄にしない」会議の秘訣』へ続く
山岡 彰彦(株式会社アクセルレイト21 代表取締役社長)