選挙の時は、街のあちこちの掲示板にポスター。ブランディングと考えると供託金は安い?
七夕の日に行われた2024年の東京都知事選挙では、定数1に対し、何と56人もの立候補の届け出がありました。ポスターの掲示板が足らないという事態になったり、同じデザインのポスターが掲示板を埋め尽くしたり、風変わりな政見放送が行われたりと、話題ずくめの選挙となりました。 ところで、選挙では街のあちこちの掲示板にポスターを貼ることができますし、政見放送としてテレビに出演も可能です。また選挙公報は全戸に配布されます。供託金さえ払えば、これらの機会を利用することができるのです。ブランディングの機会と考えると供託金は安いといえるのでしょうか?
選挙に立候補するときの供託金って、いくら?
東京都知事選挙のときに、供託金として300万円が必要ということが話題になりました。立候補のときに300万円の供託金が必要になるのは、衆議院小選挙区・参議院選挙区・都道府県知事です。 なお、衆議院や参議院の比例代表に立候補する場合には、供託金の額は候補者1人につき600万円です(ただし、衆議院の比例代表に重複立候補する場合の比例代表の供託金の額は300万円)。 ところで、同じく七夕決戦となったのが都議会議員の補欠選挙でした。都道府県議会の議員に立候補するときの供託金の額は60万円です。指定都市の長に立候補するときの供託金の額は240万円ですが、議員の場合ですと50万円の供託金です。 指定都市以外の他の市区(=東京23区)の長の供託金は100万円、議会は30万円、町村長は50万円、町村議員は15万円となっています。 <供託金ってどうやって払うの?> 立候補を届け出るときに、供託金を法務局に納め、その証明書を提出しなくてはなりません。ちなみに、供託金は現金で納めるほかに、国債によって納めることもできます。
そもそも供託金って、何のため?
選挙に供託金が設けられているのは、議員や知事、区市町村長などになるつもりのない人が売名などの目的で立候補することを防ぐためです。つまり、冒頭で述べたブランディングなどの目的で立候補することを防ぐためです。 とはいえ、供託金を納めることができれば、立候補することはできてしまうのが現実です。今回の東京都知事選挙はその例だといえるかもしれません。東京都知事選挙のときは「供託金が本来の役割を果たしていない」と、見直しを求める声もありました。