米の王様『コシヒカリ』が温暖化でピンチ 暑さに強い品種の開発競争が激化 滋賀産「みずかがみ」など健闘 コシヒカリを越えるか
■暑さに強い「みずかがみ」が最高評価を獲得
暑さで収穫量が減ったことは、消費者にも影響している。 スーパーに訪れた客:ちょっと安いお米を(買いたい)。 Q.いくらくらいの米を買うのですか? スーパーに訪れた客:(5キロ)2000円ちょっとから、3000円。 選んだのは、魚沼産のコシヒカリ。 Q.コシヒカリのイメージは? スーパーに訪れた客:ふっくらしてて、おいしい。 よく見ると、お米売り場には、ある注意書きが貼られている。 ライフ 加工食品課 山下力童チーフバイヤー:いつもコシヒカリを召し上がられているお客さまから『白い粒が多い』という問い合わせを非常にいただいていますので、『白く濁った米が入っています』とお客さまに告知しています。 スーパー「ライフ」のお米の売り上げの48%を占めるのがコシヒカリ。それが…。 ライフ 加工食品課 山下力童チーフバイヤー:暑かったことで、お米の流通量が減っています。特にコシヒカリは非常に影響を受けていますので。大体(2キロで)100円~200円程度の値上げをしています。 一方で、売り場に増えているのは「高温耐性品種」と呼ばれる、暑さに強い品種。コシヒカリに追いつけ、追い越せと、全国各地で開発競争が起きている。 関西でいち早く、その道を切り開いたのが滋賀県の「みずかがみ」だ。 琵琶湖の東部に位置する、東近江市平田町。 エコふぁーむ平田 増田伊知郎代表理事:これは滋賀県推奨の『みずかがみ』。高温対策の品種なので結構、暑さに強い。 滋賀県は、高温耐性品種を独自に開発。2013年に滋賀県のブランド米「みずかがみ」を発売した。 みずかがみは、今年発表された「食味ランキング(2023年産)」で、最高評価の「特A」を獲得している。 Q.去年、特Aを取ったのはどう思いました? エコふぁーむ平田 増田伊知郎代表理事:個人的には当然だと思っているんですけども。ランクを下げるとショックで…。高温対策用に品種改良された米が最終的には取れ高がいいのかな。歴然と感じますよ。 「エコふぁーむ平田」は今年、他の品種を減らし、暑さに強い「みずかがみ」の作付面積を、去年に比べて1.4倍に増やした。 それでも、コシヒカリは今年も作り続けている。 エコふぁーむ平田 増田伊知郎代表理事:昔からコシヒカリファンはいるんです。だからだからコシヒカリを作って、みずかがみも作って、という状況。みずかがみだけ作ったら、販売するのに『え?なんで今年コシヒカリ作らなかったの?』と言う方もいらっしゃるので。