「JAL初の女性社長誕生」が注目される違和感… “男女が真に平等な職場”を実現するために必要なシンプルな視点
男女が真に平等な職場になり切るために必要な本質的な要素
「女性が」というフィルターをいったん外し、まずは、生物学的な性別などの属性ではなく、シンプルに「個」に目を向ける。そして、その個性や価値観を理解し、その個性や価値観が職場生活によい影響をもたらすよう、自分に何ができるのかを真摯に考えて実践するよう努める。その際、自らのアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)についても意識して点検する必要もあるだろう。 職場生活とは、そもそも仕事をするために存在する。それ以上でも、以下でもない。なにより、職場はその範疇を超えた個人の欲や利己心を充足する場ではない。 いま我々がこの本来当たり前の原点に立ち戻れば、叫ばれ続けて久しい「男女が真に平等な職場」が実現する日もそう遠い将来の話ではないと思っている。
■新井健一(あらい・けんいち) 経営コンサルタント、アジア・ひと・しくみ研究所代表取締役。1972年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大手重機械メーカー人事部、アーサーアンダーセン(現KPMG)、ビジネススクールの責任者・専任講師を経て独立。人事分野において、経営戦略から経営管理、人事制度から社員の能力開発/行動変容に至るまでを一貫してデザインすることのできる専門家。著書に『働かない技術』『いらない課長、すごい課長』(日経BP 日本経済新聞出版)『事業部長になるための「経営の基礎」』(生産性出版)など。
新井 健一