“短期決戦の鬼”内川聖一が語るWBC──世界一への扉を開いた「イチローさんの言葉」
小学生の時、近所のとんかつ店で当たったオープン戦のチケットを握りしめて、新大分球場(現・別大興産スタジアム)に駆けつけた。そこで目の当たりにしたのはダイエー・小久保裕紀(現ソフトバンク2軍監督)の美しいホームランだった。 「自分が球場に足を踏み入れた時に “あそこまで飛ばしたのか”と思う。そういう思い出っていつまでも残っているものです」 大分でもらった夢を次の世代へ引き渡すのは、責務だとも感じている。
今年1月は別府市で自主トレを行い、2月は臼杵市でキャンプに参加した。気づかないうちに大分弁が戻ったと笑う。 「離れて初めて分かるものってあるじゃないですか。(大分は)魚もおいしい、肉もおいしい、海も山もある。温泉もある。こんなにいいところはないなと思う」 侍ジャパンの世界一奪還を願いつつ、大好きな地元でまだまだバットを振る。いつまでやるかは決めていない。「野球から離れる人生はまだ想像できない。自分がプレーする以外でも、野球があってこその人生。少なからず、野球にかかわって生きていく。かかわらないと生きていけなくなっていますよね」と言ってまた、最高の笑顔を見せた。