ヘッジファンド、165円の円安想定-ドル5%高見込むオプションに殺到
(ブルームバーグ): レバレッジドファンドはドル円相場に対し強気に転じ、今後数カ月で最大5%の上昇を見越したポジションの設定を急いでいる。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の金融政策決定会合後に公表された政策決定や四半期予測は、タカ派的な米連邦準備制度とハト派的な日銀を印象付け、ヘッジファンドはドル円相場に強気なオプション取引に一斉に動いた。円の見通しに市場が楽観的でなくなる状況で、円のムードがさらに損なわれた。
米証券保管振替機関(DTCC)のデータによれば、FOMCと日銀の金融政策決定会合後の発表を受け、19日のドル円の取引額は230億ドル(約3兆6000億円)余りと、今月これまで最も多かった約150億ドルを上回った。
バークレイズのアジア外国為替オプション責任者 ムクンド・ダガ氏(シンガポール在勤)は「日本の財務相と財務省の警告にもかかわらず、ドル円相場が1ドル=160-165円のレンジに上昇すると想定し、アウトライトのドル円コールやデジタルにヘッジファンドの買いが見られた」と指摘した。
ドル円相場は東京時間23日午後1時58分時点で156円61銭で取引された。
ノムラ・インターナショナルの外為デリバティブ(金融派生商品)トレーダー、サーガル・サンブラニ氏(ロンドン在勤)は「ドル円相場のトップサイドは、米連邦準備制度と日銀との見通しの相違を背景に2025年1-3月(第1四半期)に向け新たな関心を集め、より広範なドル高に支えられている。これらの取引は、160円の重要な節目接近に伴うスポットのモメンタム緩和に乗じたレバレッジドストラクチャーやアウトライトデジタルの形で顕在化した」と分析した。
原題:Hedge Funds Pile Into Trades Dollar-Yen Will Rise as High as 165(抜粋)
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David Finnerty