世界自然遺産の価値や相違点学ぶ 屋久島、奄美大島、徳之島 3島の高校生が体験交流
鹿児島県の屋久島、奄美大島、徳之島の高校生がそれぞれの島を訪ねる「奄美・屋久島」自然体験型交流学習が25日から始まった。28日は徳之島で剥(はげ)岳林道の散策があり、世界自然遺産の価値や互いの島の相違点などについて学んだ。 交流学習は世界自然遺産に登録された3島の遺産の価値を将来へ継承していくために県が主催。屋久島、大島北、大島、古仁屋、樟南第二、徳之島の6校から生徒計10人が参加した。 生徒らは25、26日に屋久島でワークショップや原生林の散策などを体験。27日は徳之島に移動して闘牛体験、外来種対策の現場の見学などを行った。 剥岳林道は徳之島南部にあり世界遺産地域と緩衝地帯が混在している。生徒らはエコツアーガイド案内で散策を開始。植物の採取に問題のない地域ではアマシバの葉をかんで甘い味を確かめたり、ケナガネズミのふんを見つけて匂いを嗅いでみたりと五感をフル活用して徳之島の自然を体感した。 散策中には徳之島固有種のトクノシマカンアオイやルリシャクジョウなどの希少植物を観察したほか、徳之島のホウロクイチゴの葉の裏にはとげがないなど同じ植物でも島によって違いがあることなどを確認した。 徳之島は初めてという屋久島高校の生徒は「屋久島と徳之島では海や山など地形の違いが大きいことが分かった。他の島を知ることで屋久島の自然に対する理解を深めたい」と参加した理由を説明し、「闘牛は怖いイメージがあったけど触れ合ってみてかわいいと思った。奄美大島ではアマミノクロウサギに会いたい」と笑顔を見せた。 案内を務めた認定エコツアーガイドの常加奈子さん(42)は「自然を知るためには実際に現地で自然に触れて体感することが重要。世界自然遺産の島の高校生同士で交流しながらお互いの地域の理解を深めることは将来へ遺産をつなぐためにも意義がある」と話した。 生徒らは28日に徳之島から奄美大島へ移動。29日から30日にかけて奄美大島世界自然遺産センター(奄美市住用)、奄美野生生物保護センター(大和村)を見学。金作原国有林の散策やナイトツアーなどを体験する。
奄美の南海日日新聞