海外メディア「韓国政治・経済・外交がマヒの危機」 大統領職を代行する韓悳洙首相の弾劾訴追案
韓国最大野党・共に民主党が26日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行・首相に対する弾劾訴追案を発議したのを受け、外信各社では、相次ぐ弾劾で韓国の経済状況が悪化し、政治的危機が深刻化するとの見方を示した。 【写真】24日、ソウル・ジャパンクラブの昼食懇談会に出席した韓悳洙・大統領権限代行
米ブルームバーグは26日、「韓権限代行に対する弾劾の試みは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の非常戒厳宣布により韓国社会が依然として混乱に陥っている中で出たものだ」「ウォン安はこの15年間で最も進んでいる。これは今年のアジアで最悪の成績だ」「ドナルド・トランプ次期大統領はホワイトハウスに戻った後、韓国のような輸出依存国に打撃を与えかねないさまざまな保護主義政策を展開すると予想する」「政治的不確実性は来年の成長率が鈍化すると予想される韓国経済に負担を与えている」と指摘した。同日のウォン対ドルの為替レートは前取引日より8.4ウォンのウォン安となる1ドル=1464.8ウォンで取引を終えた。取引時間内の終値が1ドル=1460ウォン台になったのは、世界金融危機時の2009年3月13日(1483.5ウォン)以来、15年9カ月ぶりのことだ。 また、韓国と米国が再開を決めた主な外交・安保日程についても、影響を受ける恐れがあるとの声が出ている。韓国外交部(省に相当)の金ホン均(キム・ホンギュン)第1次官は23日、米ワシントンD.C.の米国務省でカート・キャンベル国務副長官に会った後、「近いうちに高官クラスで協議があるだろう」と明らかにした。キャンベル副長官は19日、「韓権限代行の役割を全面的に支持する」と述べている。米AP通信は「与野党の対立が深まり、韓権限代行が弾劾される可能性が取り沙汰され、高官クラスの外交がストップし、金融市場が揺れるなど、政治のマヒが深刻化する恐れがある」との見方を示した。英日刊紙ガーディアンは「韓国は政治的危機に陥っている」と報じた。 ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員