<ボクシング>河野vs亀田戦の入札が中止!
WBA世界Sフライ級王者、河野公平(33歳、ワタナベ)と同級2位の亀田興毅(28歳、UNAITED)の指名試合の興行権を巡る入札が現地時間の17日、両陣営の代理人が出席してパナマで行われたが、入札を中止することで両者が合意したことがWBAの公式HP上で発表された。今後は、入札ではなく両陣営の直接交渉によって指名試合が決定されることになった。 WBAは、河野と亀田の指名試合を行うことを指令していたが、亀田が昨年12月の亀田大毅のWBA、IBF世界Sフライ級統一戦における問題で、国内ライセンスを失効したため、指名試合を国内で開催することのできない状況が続いていた。 業を煮やしたWBAは先日、河野vs亀田戦を17日に入札で決定することを指示したが、それに先だって、JBC(日本ボクシングコミッション)は、「例え入札結果がどうであっても国内ライセンスを持たないボクサーの試合は認めない」という世界戦を統括するローカルコミッションの立場を改めて表明、日本の国内事情を配慮せずに強硬するならば、WBAの脱退さえも視野に入れるという厳しい姿勢を打ち出していた。つまり、河野陣営であるワタナベジムが落札したとしても、亀田興毅のJBCのガイダンスに沿ったジム移籍が実現しない限り、国内での指名試合は不可能という状況のまま、入札を迎えることになっていたのだ。 WBAは、この日、公式HP上で細かい入札事情を明らかにしていないが、例え河野陣営が落札したとしても指名試合の開催が難航することに配慮し、両陣営の意向を汲み取った上で、入札そのものを中止。今後は、再び両陣営の直接交渉によって「河野vs亀田」戦を実現に動くことを指示したと見られる。河野陣営も落札したところで、その後の展開が泥沼することが見えていて、亀田側も落札に成功してもビジネス的に海外興行を実施することも困難で、両陣営が、どちらも乗り気でない入札だっただけに、中止の決定で、ひとまずは、最悪の泥沼化の事態は沈静化したと言える。 いずれにしろ、事態は振り出しに戻った。そもそも亀田陣営も国内開催を希望していたこともあり、国内開催をするためには、亀田興毅の移籍が不可欠で、今後は、両陣営が協力のもと、指名試合の国内開催実現のために移籍先探しを模索していくことになりそうだ。