昨季は開幕21試合で1勝のみと降格を覚悟したが…… 佐野海舟も加えたマインツが今季は欧州カップ戦を狙える集団に大変貌した
バイエルン、ドルトムントをも撃破
ここまでドイツ・ブンデスリーガは15試合を消化しているが、大きなサプライズチームとなっているのが5位に入るマインツだ。 思えば昨季のマインツは最悪の前半戦を過ごしていて、第21節まで戦った段階で1勝9分11敗の成績となっていた。この時点で順位は17位となっており、降格を覚悟したサポーターも少なくないはず。 流れを変えたのは、2月途中にスイスのFCチューリヒからやってきたデンマーク人監督のボー・ヘンリクセンだ。ヘンリクセンの就任から成績は一気に上昇し、最終的には7勝を挙げて13位フィニッシュ。何とか降格を免れた。 当然ながらヘンリクセンは今季も指揮官を任されており、ここまで5位と見事な成績だ。しかも開幕前には昨季の主力だったMFブラヤン・グルダ、レアンドロ・バレイロ、DFセップ・ファン・デン・ベルフ、FWルドヴィク・アジョルクといった選手がチームを離れており、苦しい戦いになるとの予想もあった。 しかし今や不安は消え去り、ブンデスリーガ公式も「現在のマインツ周辺からは『残留争い』との言葉はもう聞こえず、代わりに『欧州カップ戦出場権』の言葉が使われている」とここまでの戦いぶりに驚いている。 新戦力では、何と言っても鹿島アントラーズから加えたMF佐野海舟の影響が大きい。日本代表経験もあり、Jリーグでの実績もあることから、日本のサッカーファンは佐野の実力を理解していたはず。しかし佐野にとっては初の欧州挑戦であり、1年目から新しい環境に適応できるか予想の難しいところがあった。そんな不安を吹き飛ばし、今や佐野はチームの中盤に欠かせない要になった。チーム全体でそこまで目立った補強がない中、ここまで戦えているのは佐野の力も大きいだろう。 マインツはトーマス・トゥヘルが指揮した2010-11シーズンに5位の成績を残したことがある。今季はその領域に近づけるかもしれない。ここまでバイエルン、フランクフルト、ドルトムントといった強敵にも勝利を収めており、単なる偶然ではないだろう。今季はマインツにとってクラブ史に残る特別なシーズンとなるかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部
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