50周年ハローキティの“リボン”の秘密…平成ギャルよりキティが先? 令和の意外な推しは? 担当デザイナーが明かす
■令和の時代は“日焼けデザイン”推し!?
──トレンドを察知しながら、どんどんおしゃれに。ほかにも、時代に合わせたデザインやグッズはありますか? 「当時の高校生が持てるように、流行っていた原宿のDCブランドを象徴するモノトーンデザインを作ったり。ピンクのデザインを出したら、それがOLさんに売れていると聞いてビックリしたこともありました。ならばOLさん用にケータイストラップやケース、PCグッズを作り。主婦に売れていると聞けば、トイレ・キッチンのグッズも作りました」 ――では、今のトレンドを取り入れるならどんなデザインに? 「今は昭和や平成の頃のようなわかりやすい流行がない時代。ただ、ファッションは何年かおきにブームが繰り返されるもので、2020年代に入ってからは昭和~平成レトロがトレンドですよね。キティの50周年グッズでも当時のリバイバルデザインをたくさん取り入れたグッズをつくりました。中でも人気なのが、“日焼けしたデザイン”。海外の方にもよく『どこで買えるんですか?』と聞かれるんですよ」 ――日焼けしたデザイン? 「今の子は90年代の日焼けブームを知らないはずだし、日焼けサロンに行く人も少ないのに(笑)。かつては高校生やセレブが流行を発信してみんなが真似していたけど、今はSNSの影響でしょうね」 ――今は推し活も流行っていますが、若い人たちからキティはどんなところが推されていると思いますか? 「自分の好みのキティが集められることじゃないでしょうか。服の色、リボンの色、いろんな色がある。キティはそのあたりの自由度が高いのもあるのかなと」 ──では最後に、50周年を迎えた今、山口さんはキティにどんな思いがありますか? 「私にとってのキティは、80年代の頃は友だち、90年代は自分の分身、2000年代は自分の事務所のタレントで、私がプロデュースしているような存在でした。今後は、50年経ってもファンでいてくれる人たちに、幸せを与えるPR大使のようになってほしいなと。3世代で愛してもらえるのも、お父さんお母さんが『いいキャラクターだ』と思って子どもに持たせてくれているおかげだと思います。4世代以降も愛してもらうためには、リバイバルも必要だし、新しい感覚も必要。グッズを持つことで仲良くなれる、コミュニケーションツールとしてのキティになっていってほしいなと思いますね」 (文:児玉澄子) (C)2024 SANRIO CO., LTD. 著作:(株)サンリオ