50周年ハローキティの“リボン”の秘密…平成ギャルよりキティが先? 令和の意外な推しは? 担当デザイナーが明かす
■頭にハイビスカス、平成ギャルよりハローキティの方が先だった?
――キティがリボン以外のものをつけるときも? 「初めてリボンではないモチーフのキティを描いたのは、1994年。夏だったので頭にハイビスカスの花飾りを付けたキティをデザインしたんですが、『リボンがないなんてキティじゃない!』と怒られると思いきや、誰にも何も言われなくて(笑)。だったら、髪飾りも衣装ももっと挑戦できるんじゃないかなと考えるきっかけになりました」 ──当時のギャルはみんな頭にハイビスカスを付けていましたね。放送中の朝ドラ『おむすび』(NHK)にも登場しています。 「ギャルブームが来たのは、キティがハイビスカスをつけるのより後だったんじゃないかな。ただ、たしかにその頃から渋谷で頭にハイビスカスを付けた高校生がちらほら増えていて。テレビのインタビューで『キティちゃんの真似をしています』と答えていた子もいました」 ──まさか、ギャルよりキティちゃんの方が先だったとは。 「いつしかサイン会にも、ギャルの子たちが殺到してくれるようになって。面白いことを言う子も多かったです。『キティちゃんがハチになったら可愛いんじゃない?』という一言をヒントに、ハチのコスプレをしたキティを描いたこともありましたね。この時、頭にはリボンの代わりにお花とてんとう虫をつけました」 ■「おしゃれじゃない」と言われたハローキティ、大人気ピンクのデザインはMILKからヒント ――さすが、ファッションアイコンのキティですね。 「でも、最初からそうだったわけでもなくて。私がデザイナーに就任した1980年はキティ低迷期で、昔はキティグッズを買っていたという人に『なぜ買わなくなったんですか?』と聞いたら、『いつも同じ商品しかないし、いつも同じ服でおしゃれじゃない』と言われて」 ──海外セレブも認めるおしゃれなキティちゃんが…? 「それまでのキティは、小さな子向けのグッズをメインに出していました。だから中学生くらいになると、みんな卒業していったんです。ただ、中には『本当は今でもキティが好き。私たちが持てるグッズを作ってください』とお手紙をくれる高校生の子もいて。だったらキティも進化しなければいけないなと、その頃からトレンドを勉強するために毎日のように原宿に通うようになったんです」 ――そうやって進化していったんですね。 「ピンク色のシリーズを考えたときも、当時は『ピンクは赤ちゃんの色だ!』と言われて(笑)。でも、ファッションブランド・MILKのオーナーから『絶対ピンクの時代が来る』と聞いていたので、私には自信があったんですよ。キャラクター業界としてピンクを牽引していかなきゃと思ったし、何か変えていかないとキティも進化していかない。あとからトレンドに乗るのでは、追っかけになってしまいますからね」