【京都発】ホテルの競争が激化 『温泉掘削』に活路を見いだす事業者 温泉で差別化を…関西ホテル界の巨人「ホテルニューアワジ」も参戦
■入湯税の全国ランキング 2022年度は全国16位に
京都ではインバウンド客が増える一方で、宿泊施設の競争が激化。各施設が温泉により、差別化を図ろうとしているのです。 さらに技術の進化で比較的、低予算・短期で温泉が掘削できるようになったことも追い風になっています。 こうした動きは、思わぬ効果も...。京都市は2011年から温泉施設の宿泊客に1人1泊150円を課す、「入湯税」を導入。 当初、入湯税収入の全国ランキングは圏外でしたが、2021年度に21位に。翌年度は1億5900万円の収入と全国16位になり、2023年度はトップ10入りが期待されています。
「まだまだ伸びしろがある」と話すのが、京都市の温泉をPRする協議会の岩井一路会長です。 【京都市温泉活性化協議会 岩井一路会長】「温泉目的で来られている方がどれくらいの割合があるのかということを考えると、まだまだ認知度は低いといえると思います。(京都の観光客のうち)2割から3割が宿泊していただいているわけですが、宿泊人口を増やしていくためにも、京都に温泉目的で来ていただけるような流れを作りたいのが、われわれの大きな目標」 岩井さんは京都で温泉のイメージを浸透させようと、自身が社長を務めるホテルである取り組みをしています。 【京都市温泉活性化協議会 岩井一路会長】「京都温泉の源泉がくみ上げられて、このお湯を3トン車に移し替えて、各地に運ばせていただいている」 これは、温泉を他のホテルでも利用してもらう「運び湯」。温泉に入ることができる施設を増やし、認知度を上げようという狙いです。
■関西ホテル業界の巨人「ホテルニューアワジ」も参戦
「京都×温泉」。この動きに参戦したのが、CMでおなじみの「ホテルニューアワジ」が手がける『坂のホテル京都』。 【ホテルニューアワジグループ 木下紘二副社長】「あちらが温泉掘削の場所になります。今は870メートルくらいまで掘れてまして、これから1000メートルまで最後の追い上げです」 もともと温泉はありませんでしたが、2023年から掘削を開始しました。今年の秋までに温泉を掘り当てる見込みで、グループ内の他の2カ所の京都のホテルにも提供します。