森保J、新たにテストの「攻撃的な3バック」に手応え 遠藤航「強豪相手でもできる」
サッカーの日本代表が、6月の2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で新たな試みにチャレンジした。すでに最終予選進出を決めて臨んだミャンマー戦とシリア戦で、相手ゴール付近に多くの選手を配する攻撃的な3バックを採用。格下相手ということを差し引いても得点を量産する成果を挙げ、森保一監督は「1つのオプションとしてチームで共有できた」と、9月開幕の最終予選に向けた手応えを口にした。 【写真】11日のシリア戦に臨んだ日本の先発メンバー 6日のミャンマー戦(ヤンゴン)は狙い通りの完勝だった。多くの時間帯でフィールドプレーヤーが3-1-5-1(センターバック3人、守備的MF1人、攻撃的MF5人、1トップ)のような立ち位置を取り、左右のセンターバックも頻繁に中盤へ顔を出してビルドアップに参加。ボールを失っても相手ゴールに近い位置で次々と回収し、厚みのある連続攻撃で5-0と圧倒した。 11日のシリア戦(広島市)も前半を3バックで戦った。ウイングバックとして幅を取る左サイドの中村敬斗(スタッド・ランス)が先制点をアシストし、右サイドの堂安律(フライブルク)もカットインから2点目を奪取。前半22分までに3点を奪って勝利を決定付け、主将の遠藤航(リバプール)は「狙い通りにウイングバックが絡みながらゴールが生まれ、強豪国相手でもできる手応えを感じている」とうなずいた。 22年W杯カタール大会でも、3バックを採用してドイツとスペイン撃破につなげている。しかし、相手にボールを保持されて攻め込まれる時間帯が長く、実際は左右のウイングバックが最終ラインに吸収される5バック。カウンターからのゴールに活路を見いだすのが狙いで、全選手で自陣を固める形となっていた。 対照的に、6月の2試合はGK以外は敵陣に入る時間も長い攻撃的な3バックだった。地力に勝る日本に対し、アジアのライバルはゴール前を固めて失点回避を優先させるケースが多い。守るべき相手がいないのであれば、鎌田大地(ラツィオ)が「後ろに人がたくさんいても仕方がない」と言うように、前方に人数をかけて攻撃力を上げるのは合理的だ。 格段にレベルが上がる最終予選でも、日本に対しては引いて守るチームが多くなることが予想される。従来の4-2-3-1や4-3-3が基本となるにしても、前方に人数をかけて厚みを持たせる攻撃的3バックは、有効な打開策になり得る。