「使命感で現場が奮い立った」羽田の飛行機炎上、ヒーローはJALだけじゃない JR、ANA、スカイマーク…ライバルが交通インフラを支えていた
問題は茨城空港からの交通手段だ。羽田や成田、伊丹のようには充実していない。路線バスは残っていたが、普段の定期便の乗客を想定しており、とても全員は乗せられない。ただ、スカイマークには万が一を考えた事前の備えがあった。 目的地が茨城空港へと変更された時、パイロットはすぐに社内の運航担当者と協議。さらに茨城空港の支店にも情報を共有した。すると支店はすぐさま、バス会社に応援を要請した。 ここで効果を発揮したのが、バス会社と結んでいた「イレギュラー時の運送に関する契約」だった。 2016年に茨城交通と最初の契約を交わして以降、現在は計4社(茨城交通のほか関東鉄道グループ、出久根観光、タビットツアーズ)と締結している。応援のバスを手配できなかった会社は、契約を結んでいない別のバス会社を探し出した上で派遣してくれた。結局、計9台のバスが空港に駆けつけ、うち8台を使い、最寄りのJR石岡駅まで運ぶことができた。
スカイマークの広報担当者は、バス会社への謝意を示した上でこう話している。「契約は首都直下地震や富士山の噴火といった災害を想定して結んでいたものだったが、今回のようなイレギュラー時もスムーズにお客さまを輸送できた。さらに連携を深めたい」