2022年9月にこの世を去った映画界の巨匠、ジャン＝リュック・ゴダール。その映画『ジャン＝リュック・ゴダール／遺言 奇妙な戦争』が、2月23日より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショーされる。本作は、ファッションメゾンであるサンローランが設立した映画プロダクション「サンローラン プロダクション」による製作。 　1960年以降、ゴダールは革新的なカメラワークと実験的なナレーションスタイルで映画製作の流れを変えた。昔ながらの慣習を否定し、「ヌーヴェルヴァーグ」における、より個人的で芸術的な手法を好んだことで知られている。本作は、ゴダールが亡くなる前に取り組んでいた作品で、20分の映像のなかには様々なイメージやテキスト、ゴダールの肉声、音楽などが盛り込まれている。完成には至らなかった映画に対するゴダールの考えやアイデアを垣間見ることができる、貴重な機会となるだろう。 　なお本作は、第76回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションの一環として上映。本作を担当したサンローランクリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロは、「映画界でもっとも影響力のある巨匠のひとりであるジャン＝リュック・ゴダールを敬服している」と語っている。