【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第18ステージ】メルリールがゴールスプリント勝負を制して区間2勝目!ミランは2年連続のポイント賞獲得に王手
それでもメイン集団は落ち着いていた。リドル・トレックとスーダル・クイックステップがしっかりとペースメークして、最大でも2分半のタイム差でレースを進めていく。残り60km地点でそのタイム差がわずかになるとメイン集団からヴィスマ・リースアバイクのエドアルド・アッフィニ(イタリア)が抜け出して先頭グループに追いつき5選手となった。
しかしスプリンターを擁するチームは容赦ない。残り10kmで逃げていた全ての選手を吸収し、予想通りに大集団のゴールスプリント勝負へ。パドヴァはヴェネツィアとヴィチェンツァに挟まれた歴史の古い都市で、しかもゴールは市街地に設定されている。沿道とフィニッシュ地点の広場には大観衆が押し寄せた。それに至る道路はクルマのスピードを抑制する凸部があったり、鋭角コーナーが出現したりする。そんな設定舞台でスーダル・クイックステップ、チューダープロサイクリングチーム、リドル・トレックらが隊列を組んでハイペースでゴールを目指す。
最後の直角コーナーを先頭でクリアしたのはリドル・トレックの牽引役だったが、シモーネ・コンソンニ(イタリア)はエースのミランが大集団の中に埋もれているのに気付き、ここで戦闘を終了。ミランは単独で最後のスプリントに挑むしかなかった。
イスラエル・プレミアテックのユーゴ・オフステテール(フランス)、ダイネーゼ、アルペシン・ドゥクーニンクのカーデン・グローブス(オーストラリア)がスプリントを開始。ようやく前が開けたミランとメルリールがゴール手前で他チームのスプリンターを逆転。メルリールがわずかに先着し、ミランは2位になった。ベルギー勢がジロ・デ・イタリアの1大会でステージ2勝を挙げたのは1987年のロジェ・ド・ブラマンク以来というから久しぶりだ。
2021年の第2ステージ以来の区間優勝となった第3ステージ、メルリールはスプリント開始が早すぎたミランを抜き去って制した。この日のパドヴァでは、リドル・トレックのコンソンニが、ミランが後ろに付いてきていないことに気づいてあきらめた。経験豊富なメルリールがそれを見逃しはずはなかった。単独になってもわずかな位置まで追い込んできたミランはさすがだったが、メルリールはこれで平坦ステージでのミランとの対局を2勝3敗とした。グランドフィナーレのローマで最後の戦いが待っている。 この勝利により、メルリールはシーズンの勝ち星を9にした。ポガチャルは今大会の5勝を含めてすでに12回優勝しているが、今シーズンの前半戦で最も成功を収めているスプリンターとして優れたレベルを改めて示している。