不法デモを取り締まる韓国警察に予算削減をちらつかせる共に民主党【11月12日付社説】
韓国野党・共に民主党をはじめとする野党各党は11日、国会で警察の特殊活動費・特定業務経費と警備局予算の削減を予告した。野党各党は「民主労総(全国民主労働組合総連盟)と野党がソウル都心で集会を開いた9日に警察が強行鎮圧を行った」と主張し「趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長の謝罪がなければ予算を削減する」と圧力を掛けているのだ。問題の民主労総主催のデモでは参加者らが道路を不法占拠しようとしたため、これを阻止した機動隊員が105人も負傷した。ここ数年の機動隊員らによる職務上の負傷者数では最も多かった。ところが野党各党は逆に警察に謝罪を要求し、予算の削減までちらつかせ脅迫しているのだ。
共に民主党は11日に李在明(イ・ジェミョン)代表も出席して最高委員会を開いた。この席で李在明代表は「1980年代に白骨団(戦闘警察)がデモ隊を無差別暴行した当時の現場を思い出す」と発言した。今回デモ隊と機動隊が衝突した理由は、民主労総が事前に申告し許可を受けていた場所から外れて組合員らが先に往復9車線の道路を全て占拠しようとしたからだ。組合員らは組織的にポリスラインを無視し、機動隊員らを力で押しのけ一時的に全ての車線を占拠した。その過程で多くの機動隊員が骨折や靱帯(じんたい)破損などの重傷を負った。ところが共に民主党は逆に警察に対し「特別な理由がないのに労働者と衝突した」「(デモ隊の)暴力を誘発した」などと主張しているのだ。 今回の民主労総による集会で警察は週末の激しい交通渋滞を避けるため、世宗大路の5車線に限り使用を許可した。集会やデモを通じて自分たちの主張を表現する自由は保障されている。だからこそ一般市民の日常生活に支障が出るようなことはしてはならないため、警察や機動隊による基本的な現場の統制や秩序の維持は必要になる。共に民主党もこの点は理解しているはずだ。 李在明代表による公職選挙法違反や偽証教唆などの容疑に対する判決を前に、共に民主党は政府はもちろん司法に対しても直接・間接に影響力を行使しようと全力を挙げている。実際に共に民主党は自分たちの力を誇示することで裁判官らにも心理的な圧力を加えられると考えているようだ。共に民主党は李在明代表を捜査・起訴した検察に対してはすでに特別活動費80億ウォン(約8億8000万円)と特別経費506億ウォン(約55億5000万円)を全て削減し、法務部(省に相当)の予算も487億ウォン(約53億4000万円)削減したが、その一方で裁判所の予算は増額した。これが何を意味するかは誰でも分かる。そう考えると政治的なデモに共に民主党ほど役に立つ組織はない。今回も共に民主党は警察が不法な暴力を防ぐ本来の任務を果たしたことを理由に予算を削減しようとしているのだ。